警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(23、24日単位・レベル)
ドロボウには前科が必要だ!
【治安うんちく】
小覧が警視庁の捜査3課を担当していたころ昭和の60年代、ドロボウの原稿ほど面白い(失礼)ものはなく、逮捕原稿で夕刊の社会面のトップを飾ったものだ。
そして今、群馬県内の公園に展示してある特急列車の「チャイム」が盗まれたり、福岡県では学校の網戸が大量に盗まれたり、山梨県では農家が丹精を込めて育てたサクランボが収穫前にそっくり盗まれる被害が相次いでいるという。
ドロボウには様々な形態があって空き巣や金庫破りなどを「侵入盗」と呼称。外に置いてある車の中から物を盗むなどの「非侵入盗」などに分けられ、特急のチャイム盗やサクランボ盗などは非侵入盗だ。
窃盗の中でも非侵入盗の認知件数が多く、警察庁によると今年5月までの認知件数は17万0517件だが、例の犯罪抑止策の効果があり、前年同期より1万5456件も減っている。
冒頭に「面白い」と書いたが、当時のドロボウなどの逮捕では、「前科」が発表された。中には「前科5犯」とか「前科8犯」のドロボウの専門家がいて、その生き様にそれぞれ物語があった。
新婚の亭主が毎朝「行ってきます」と挨拶して家を出て、1日中ドロボウを働き、夕方「只今」と帰宅する。その働き分を民間会社の給与支給日に「月給」として妻に渡していた。
また、夫婦と子供1人に犬を飼った家族がワゴン車で北海道から九州までドロボウ行脚を繰り返し、ワゴン車が年々、高級車になっていった。
ある国のドロボウが逮捕されたが黙秘。そこで刑事は、調べ室の前でドロボウに見えるように、押収した日本刀を鞘から抜いて眺めると、それを見た外国人ドロボウが即、自供した。その国にはドロボウは手首切り落としの刑があった--。
動機や日々の行動、生いたちや人生、家族構成、逮捕のきっかけなど、読ませる原稿が書けたのである。
その当時、交通網の発達などで、犯人は都県境を超えるなど活動範囲が広く、都県境を超えたドロボウの送致には被害のあった警察による「共同捜査本部」として余罪を付け、40件も50件もの余罪のある凄腕のドロボウもいた。
ところが今、網戸とか消防ホースの筒先、ガードレール、冷暖房機の室外機など様々なドロボウがいるが、生き様なんてなにも無い。警察は前科も含めて発表しないからだ。
【事件】 22日未明、東京・足立区の路上で、自転車の男性が鉄パイプを持った男2人組に襲われ、現金を奪われる事件が、2件相次いだが、首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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