警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(10、11日単位・レベル)
前科は前科だ!何が悪い!
【治安うんちく】 小欄が警視庁を担当しているころ、犯人が何回逮捕されているかが分かる「前科」があった。……逮捕されたのは前科11犯で無職の○○○男(58)……のように書いたものだ。
ところが、いつの間にか「前科」が消え、名前は呼び捨てではなく、○○容疑者となり、裁判原稿では○○被告などと書くようになった。刑が確定すれば○○受刑者だとさ……
犯人にも人権があり、呼び捨てにしないことは分かる。しかし、「前科」が何で消えてしまったのか? 服役して出所すれば、過去に犯罪を犯した者かなどは分からない。罪種によっては病的に同じ犯行を繰り返す者もいるのだ。
例えば「万引」などだ。警察庁にこんな資料がある。「平成24年の犯罪」によると同年に検挙された万引き犯は1万4619人。
この中で、初犯者は約半数の7089人。以下、前科2犯は3327人、前科3犯は1764人、前科4犯は939人、前科5犯は532人、前科6犯は305人、前科7犯は190人、前科8犯は127人、前科9犯は108人、前科10犯は79人、なんと前科11犯以上は159人もいた。いかに再犯者が多いかが分かる。
昭和の時代だが、ドロボウの中に前科15犯とか20犯という〝猛者〟がいた。こうなるとドロボウ個人には侵入方法に特徴があるから、ベテラン捜査員は侵入方法(手口)と犯行現場の状況を聞くだけで、犯人のおおよその見当は付けられた。
ちなみに同様に侵入犯手口の「空き巣」を見てみよう。
検挙者824人のうち初犯は280人。前科2犯が145人、前科3犯が113人と続き、前科11犯以上が31人もいたのである。
「前科」がつけば一生付いて回る。だから、犯罪なんてうっかり起こせないという抑止効果があった。それが今は無い。雇った社員の中に、前科11犯以上の人物がいるかもしれないのだ。マンションの隣の部屋に連続強姦魔がいたらどうする?
プライバシーも大事だが、同じような被害に遭わない権利だってある。なんのために情報公開制度があるんだ!
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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