【産経抄】よみがえった警察官 5月29日(29日)産経
東京オリンピックでの勇姿を覚えている日本人にとって、ショックは大きかった。2002年ソルトレークシティー冬季五輪の招致に絡む買収疑惑で、オランダのヘーシンク氏の名前も挙がっていた。
▼かつての柔道の金メダリストは、国際オリンピック委員会(IOC)委員を務めていた。1999年1月のIOC臨時総会で、6委員の追放が決まり、ヘーシンク氏は警告処分を受ける。
▼米司法省は27日、汚職に関与したとして、国際サッカー連盟(FIFA)の副会長ら14人を訴追したと発表した。スイスのチューリヒで、FIFAの年次総会が行われる前日だった。ワールドカップ(W杯)の2018年ロシア大会と22年カタール大会の開催地決定をめぐっても、不正の疑いがある。
▼巨大組織に突如入った司法のメスは、かつての五輪スキャンダルを思い出させる。行き過ぎた五輪の商業主義が不正の温床だと、当時その張本人だったサマランチIOC会長に批判が集まったものだ。今回も、世界的な大企業とスポンサー契約を結び、サッカーを巨大ビジネスに育て上げた、FIFAのブラッター会長の責任を問う声が上がっている。
▼ただ事件の規模は大きく違う。ヘーシンク氏に渡ったとされるのは、5000ドルだった。今回の賄賂の総額は、1億5000万ドル(約185億円)を超えている。
▼サッカーにあまり関心がないはずの米国が、介入する理由は何か、さまざまな臆測が飛び交っている。日本代表のアギーレ前監督の関与も取りざたされる八百長疑惑など、黒い噂が絶えないサッカー界に、改革は無理と判断したのかもしれない。「世界の警察官」を辞めたはずの米国が、ひさしぶりに見せる捕物劇の行方に注目したい。http://www.sankei.com/affairs/news/150529/afr1505290003-n1.html
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