警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(3、4日単位・レベル)
声無きに聴き形無きに見る
【治安うんちく】
川崎市川崎区の河川敷で中学1年、上村遼太さん(13)が殺害された事件で事件発生の約1週間前、上村さんの知人グループが上村さんへの暴行を抗議するため、逮捕された18歳の少年宅に押し掛けトラブルになった際、110番で駆け付けた警察官が、暴力を受けていた上村さんに電話で確認した結果、上村さんは「仲直りしたから大丈夫」と答えたという。このため署員はグループに帰るよう指導。上村さんには接触しなかった=毎日新聞電子版
この部分は殺人の動機にかかわる部分だ。
これと同じ様な事件が平成11年にあった。栃木県内の19歳の会社員がやはり19歳の少年をリーダーとするグループに殺害されたリンチ殺人事件である。
この時は被害者の母親が警察に相談していた。警察は自宅に帰らない被害者を家出人扱いとして、本人に直接電話をかけて帰宅を説得した。
しかし被害者は帰宅しないばかりか、11月になって本人が火傷など怪我をしている姿が写ったビデオが少年グループから送られてきた。
今度は父親が警察署を訪れ、両親が調べた少年の車のナンバーを告げて助けを求めたが殺害されてしまった。被害者は熱湯をかけられるなどして脅されており、警察が本人に電話した時も「家出ではありません」と答えたため警察は事件性がないと判断したという。
この事件は後に国会でもとりあげられ、警察の不作為が問われた。
1日に数千件もかかる110番。現場は駆けつけた警察官の判断で処理される場合もあるだろう。だが、全て結果論が問われる。少年の暴力に恐怖感を持っていた上村さんが、警察官に「大丈夫」と答えるしかできなかったとすれば、栃木県の事件同様に警察官の不作為が問われてもしかたあるまい。
平成11年から12年にかけて日本警察は史上最大のバッシングを受けた。警察には代役がない。ひとり一人の警察官が必死に耐えて改革に取り組み、刑法犯で280万件もあった認知件数を半減させ、ようやく国民の信頼を勝ち得たのだ。
スカートの中にスマホを差し込むなど、まだ自覚のない警察官もいる。彼らに言いたい。
「声無きに聴き形無きに見る」という原点にかえってほしい。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
【判定方式】
刑法犯の発生件数や検挙率などの数値治安に対して、最近は「体感治安」と言う言葉が一般化してきました。辞書を引いても出て来ませんが、国民が体で感じる感覚を温度に例え「体感治安」と名付けられたものです。平成7年に当時の警察庁長官だった國松孝次氏の造語とされています。「体感」はあくまでも体感であり、本来、数字で表すものではありませんが、あえて挑戦しました。内閣府の調査によりますと国民が治安情報を入手するのはマスコミということから、東京都内発行の新聞の事件・事故の扱いから、感じる度合いを分析し「警視庁管内」の治安度数とします。
【基準値】
レベル5 治安情勢は最悪ポイント100~80
レベル4 治安の悪化 ポイント 79~60
レベル3 治安の悪化傾向ポイント 59~40
レベル2 治安悪化の兆し
ポイント39~20
レベル1 平穏 ポイント 19以下
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