警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(21、22日単位・レベル)
サリン製造の目的は…
【治安うんちく】 地下鉄サリン事件は防げなかったのか-と指摘する声がある。
警視庁は神奈川県内で発生した坂本弁護士一家殺人事件を捜査。さらに、サリン事件発生の20日前の仮谷さん拉致事件の捜査に入っており、サリン事件の前に上九施設を捜索していれば事件は防げたというのだ。
坂本事件の極秘捜査は寺尾正大氏が小山金七刑事に命じて極秘に捜査したもの。それは警察庁が47都道府県警に指示した「あらゆる法令を駆使してオウム教団事件を立件せよ」の方針に沿ったものと言っても過言でない。
その時、警視庁は港区新橋庁舎に「オウムセンター」を設置して着手に向けて情報収集を始めており、寺尾氏は坂本事件を突破口にする方針を固めていた。
ところがその後、都内で仮谷事件が発生したことから寺尾氏はこの事件を突破口とすることに方針を変え、仮屋さんの身柄確保のため3月18日に都内の施設の家宅捜索を決めた。
これに対して警察庁などは、強制捜査にサリンを使って反撃に出る恐れがあるため、サリンの製造工場とみられる上九の施設も同時捜索にすべきだとしたため機動隊や自衛隊の調整で時間がかかった。
運が悪かったのはその情報がオウムに漏れていたのである。
そもそもオウム教団の「サリン」の製造目的は別にあった。平成5年4月に高知市で開かれた説法で麻原は初めてサリンの製造に触れ、6年3月の仙台市での説法でその目的を語った。
「オウム真理教団はハルマゲドンに対して準備をしておかなければならない。その準備は毒ガス攻撃を受けた時にどう防御したら良いか、どのような肉体的反応があるかの研究だ」
では、「なんで20日だったのか」-警察が上九の施設に捜索に入るという事前情報を得たことから、警察の注目を上九から都心に向けさせるためサリンをばらまき、同時に上九の施設から幹部が一斉に逃げ出すことにし、麻原本人は施設の隠し部屋に隠れた。
警察事象は全て結果論だ。失態と言えば情報の漏洩だろう。誰が教団に漏らしたのかが問題だ。
その後、警察庁は平成11年になると住民とオウムの間のトラブルが続発しており、全国の警察に徹底取締を指示。長野県警を皮切りに1都2府11県の警察は教団支部や関連企業40カ所を捜索した。
一方、当時の労働省や法務省など各省も「オウム対策会議」を設置。さらに公安調査庁は破壊活動防止法の改正。国税庁はパソコン関連企業に税務調査に入り、年間総売上金77億円といわれた資金源を遮断するなど壊滅に向け省庁あげた〝頂上作戦〟を展開した。そして今、信者が増えており、オウム事件は続いている。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
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