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2015年2月 4日 (水)

京大留学生:戦闘・混乱…帰れぬシリア「美しい国なのに(4日)毎日

 イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質事件が起きたシリア。同国内では、ISの台頭に加え、アサド政権と反体制派による戦闘も続き、治安悪化と疲弊が進む。京都大で医学を学ぶシリア人女子留学生、ヌールさん(27)=仮名=は情勢悪化前の4年前に来日したが、一度も帰国できないまま。両親や知人が残る首都ダマスカスにも戦火は及び、大学時代の友人2人は銃撃や砲弾の犠牲になった。「もともと人々は穏やかで美しい国なのに」。悲しみは深い。
 ヌールさんは2011年4月、シリアの名門ダマスカス大を卒業後、日本政府の奨学金を受け、京大に入学した。出国時は、中東地域で相次いだ民主化運動「アラブの春」の影響で、地方で反体制デモが活発になった頃だ。その後、デモを弾圧するアサド政権に対し、欧米やアラブ諸国が反体制派を支援。ISも勢力を拡大し、三つどもえの争いで混乱が加速した。
 身近な人々にも危機が迫っていることは日本にいるヌールさんの耳にも届いた。砲弾は大学の図書館や寮にも落ちるようになった。友人の男性は自宅にいたところ、外から狙撃され死亡。別の友人男性は路上で砲弾の犠牲になった。危険で勉強が続けられず、友人の半数以上が欧州や周辺アラブ諸国に渡った。
 「シリアは合法的で、自由や公平さを追求する社会だった。出国当時、ここまで混乱するとは誰も思っていなかった」とヌールさんは嘆く。国連の推計では、シリアでの犠牲者は約20万人。「対立し合うどの勢力も一般のシリア人の考えを代表していない。一部の過激派や外国勢力による代理戦争の舞台になってしまった」と感じている。
 ダマスカスはISの支配地域からは遠いが、アサド政権と反体制派との武力衝突が続いている。インターネット通話で日々、年金生活の両親の安否を確認するが、危険であまり外出できないばかりか、食費や燃料費の値上がりで急速に苦しくなっている様子が伝わってくるという。
 帰国したい気持ちはある。一方で、ヌールさんには戦闘で傷ついた子供たちの心の傷をケアする医者になる夢がある。
 「両親は『とにかく勉強を頑張れ』と応援してくれる。日本で勉強できる幸運をつかんだのだから、国に残るしかない友人たちのためにも努力する義務がある。立派な医師になり、子供の支援を通じて母国の再建に役立ちたい。きっといつか戦闘は終わる」【鵜塚健】

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http://mainichi.jp/select/news/20150204k0000e040222000c.html

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