ストーカー:逮捕経験の元加害者「ゆがんだ心 ケア必要」(20日)毎日
「かわいさ余って憎さ百倍」。女性に付きまとい、逮捕経験がある大阪の男性(48)はストーカーの心の内をこう表現した。大阪市平野区で今月2日、警察に相談中の女性が殺された事件の容疑者の気持ちも分かるという。ゆがんだ心にどう対処すればいいのか。男性は「(自分が)嫌な思いをさせた女性に本当に申し訳なく思う。悲劇を防ぐには、加害者をケアする仕組みが必要だ」と訴える。
男性は毎日新聞の取材に自身のストーカー経験などを語った。
男性は31歳だった1997年春、大阪府内の寝具販売会社に就職した。間もなく同僚の女性を好きになり、年末の食事の席で告白したが、ふられた。
「本心は違うはず」。親戚を捜し当て女性の連絡先を聞き出した。興信所を使い住所も割り出した。自宅で待ち伏せする日々。1日20回近く電話したこともあった。振り向かない女性にいら立ち、夜は眠れず、食事しても味を感じなかった。ただ、相手の気持ちを顧みたことはなかった。
数カ月後、飲食店で上司を交えて話し合った。男性は上着の内ポケットに包丁をしのばせていた。「殺すつもりはなかったけど、包丁を見せれば真剣さを分かってくれると思った。異常だった」
上司が警察に通報し、包丁を所持した銃刀法違反容疑で逮捕された。女性を強く憎むようになり、釈放後も付きまとい、「今日はお前の命日だ」と脅迫した。女性はとうとう会社を辞め姿を消した。
約4年後。今度は結婚相談所で会った女性に付きまとっていた。「神社にでも行って平常心を取り戻してみたら」。知人の勧めで神社で手を合わせた。何度も足を運ぶうち、少しずつ心が落ち着いた。その頃、今の妻と出会ったこともあり、トラック運転手として平穏な生活を送るようになった。
「知人のアドバイスがなければ凶悪事件を起こしたかも。ストーカーを止めるには、加害者の孤独や苦しみを和らげる人が必要だ」
平野区のストーカー殺人事件では、容疑者が2日間に33通のメールを被害女性に送っていた。「気が狂いそうで止められないという危険サイン。この時点で容疑者にカウンセリングやアドバイスがあれば……」と語った。
http://mainichi.jp/select/news/20140520k0000m040122000c.html
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