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2014年2月12日 (水)

振り込め詐欺“温床”の名簿業者 監督官庁定まらず(12日)共同・神奈川新聞

2013年の全国の振り込め詐欺被害が、過去最悪の486億円余りに達した。県警が認知した被害は、前年の3倍となる約41億2300万円。警察がその“温床”の一つとして警戒するのが、個人情報そのものを売買する名簿業者だ。だが、警察の取り締まりは現行法上で限界があり、行政の是正措置はいまだない。膨大な個人情報がなおも詐欺犯の手に渡り、対策は後手に回っている。
■捨てぜりふ
 「65歳以上」「布団購入者」「年収4千万円以上」…。雑多に分類された名簿を、ホームページ(HP)上で1件10円から販売する東京都内の名簿業者。取材を申し出た途端、男性は電話を切る間際にすごんだ。「後ろめたいことは何もしていない」
 捨てぜりふの訳を、別の名簿業者の男性経営者(30)が代弁する。「取材に応じても業界のイメージが損なわれるだけ。規制が強化されれば食いっぱぐれる」
 この名簿業者は延べ1億件以上の個人情報を扱い、「営業」や「販売促進」を目的にうたう事業者を顧客に抱える。個人情報保護法は、個人情報の売買自体を規制していないものの、本人が同意しない目的外の利用や第三者への提供を原則的に制限している。販売先が目的に反して悪用しないと、名簿業者は言い切れるのだろうか。男性経営者は答えた。
 「不特定多数には販売していない。販売先を信頼している」。ただ、大抵の取引はメールやファクスで進め、顧客と接触する機会はほぼないらしい。
 では、名簿に掲載されている本人の同意を得て販売しているのか。
 「削除願いがあれば速やかに従っている。(同法の)条文通りの対応だから違法じゃない」。掲載されている個人をHP上の販売リストからうかがい知ることはできないが、これ以上の取材は「NG」だった。
■身辺は丸裸
 個人情報がビジネスとして本格化したのは、2005年の個人情報保護法施行からだ。情報管理が厳格化された反動で、皮肉にも個人情報の需要が高まった。
 自宅の住所や電話番号だけでなく出身校、勤務先の役職や取引先、病歴、犯歴さえ記載された名簿も出回っている。「もはや、身辺は丸裸だ」。捜査関係者は憤る。
 元捜査員は「小遣い稼ぎに自ら名簿業者に売り込む会社員や行政職員もいる」と明かす。09年に発覚した大手証券会社の148万人分の顧客情報流出は、借金返済や遊興費目当ての幹部の売却が原因だった。
 警察官のパソコンがウイルスに感染し、容疑者の犯歴や被害者らの個人情報を含む捜査資料が流出した例もある。「街頭アンケートやネット通販からも漏れる。出どころはいくらでもある」。元捜査員は言い切った。
 過去に悪徳商法でだまされた被害者の名簿は「カモリスト」と呼ばれる、詐欺犯の「好餌」(捜査関係者)だ。県警は13年9月、都内のリゾート会員権販売会社を摘発。関係先から押収した延べ約6700万人分の名簿の中には、全国八葉物流やエル・アンド・ジーによる巨額詐欺事件の被害者名簿も含まれていた。

■未詳の実態
 名簿業者が初めて摘発されたのは11年。迷惑メールを送り付けていた出会い系サイトの運営業者にメールアドレスを転売したとして、警視庁が特定商取引法違反のほう助罪を適用した。県警も13年6月、多重債務者らの情報をヤミ金融に売りさばいていた名簿業者の男を、貸金業法違反ほう助の疑いで逮捕している。
 ただ、こうした摘発はまれだ。個人情報保護法に違反すれば、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるが、行政の指導や命令を省いてすぐに処罰できる直罰規定がない。捜査幹部は「(警察の取り締まりは)何らかのほう助罪を適用するしかない」。詐欺商法の被害弁護に努める大橋賢也弁護士は「悪用されると知らなかった、と主張されたらそれまで。ほう助罪さえ立証は難しい」と指摘した。
 個人情報を漏えいした事業者に省庁が同法に基づいて是正を勧告した例はあるが、名簿業者そのものに対する行政措置はこれまでにない。実態がつかめず、監督官庁すら定まっていないからだ。
 消費者庁は同法を所管するが、担当者は「(同法に)提供元(の名簿業者)を縛るだけの効力はない。規制の強化は、いまのところ検討されていない」と打ち明けた。
■県警の「迎撃策」 押収名簿で注意喚起
 目には目を-。全国の警察は、詐欺犯から押収した名簿を振り込め詐欺対策に役立てている。県警のコールセンターも、名簿に名前が載っている高齢者らに注意情報を発信。予防にとどまらず、逮捕に結びつける「迎撃策」だ。
 1月下旬、横浜市西区にあるオフィスビルの16階。およそ50人のオペレーターが矢継ぎ早に電話をかける。「還付金詐欺に気を付けてください」。逗子市内でこの日、「医療費の過払い分を還付します」とうたう、市職員を装った男からの電話が相次いでいた。
詐欺犯は電話帳や地域別の名簿を悪用しているとみられ、詐欺の電話が同じ地域に集中する傾向がある。県警が2010年10月に民間委託して開設したコールセンターは、詐欺の電話が確認された地域の高齢者や金融機関に片っ端から電話をかけ、詐欺犯の機先を制する狙いだ。
 この対策に、全国の警察が押収した計約63万件のうち、警察庁から振り分けられた名簿が役立てられている。県警は「詐欺犯が使用している名簿は、ほかの詐欺犯も持っている可能性が高い」とみている。
 オペレーターの電話先は高齢者を中心に1日およそ1万件。県警によると、詐欺に気付いて被害を防いだ好例だけでなく、電話口の高齢者がだまされたふりをして受け取り役を逮捕した実績もある。
 県警は、県の特例基金を活用した取り組みとして、14年度も継続を希望している。http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1402110003/

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