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2014年1月16日 (木)

警視庁管内体感治安レベル2

首都東京体感治安(16、17日単位・レベル)
慎重な扱いを
【治安つぶやき】

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 何はともあれ無事でよかった。神奈川県相模原市で犬の散歩に出たまま行方不明になり、犬だけが戻っていた小学5年の女児が4日後に帰ってきた。
 15日午前4時前に自宅から23㌔離れた茅ヶ崎市の駐在所に現れて保護されたものだが、本人は足取りなどについて「分からない」「覚えていない」と言っている。相当の理由が隠されているようだ。
 11歳と言えば多感な年ごろ。連れ去られて脅迫されているのか?あるいはその他の事情があるのかなど様々な見方ができる。とにかく大事なのは、「厳しく追及しない」ことだ。連れ去られたとしても、本人に言わせるのではなく、警察が独自の捜査で割り出すぐらいの配慮が必要だ。忘れてはならないのがカウンセリングだろう。
 この事件は、女児が駐在所に駆け込んだところにポイントがありそうだ。女児の足取りを逆に追えば良いのだ。ところが警察犬まで出動したが足取りはつかめなかったという。
 本人が歩いてきたのなら「足跡」は消えるはずがない。しかし消えている。午前4時…乗り物を使っている。防犯カメラを含めて女児に付着した微物分析など捜査手法はいくつもある。
 1月5日から行方不明になっていた大阪・鶴見区の中学1年生の女子生徒が無事発見された。同様にそっとしておいてほしい。
 首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」に戻す。
 本日の警察マスコットは山梨県警の「ふじくん」です。

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 web小説「防諜テロリストを補足せよ!」を連載中。日本版NSCの誕生に合わせて、日本国内で暗躍する北朝鮮やイスラム過激派と刑事の戦いです。「続きを読む」からお入り下さい。

 防諜 テロリストを補足せよ 3
   3
自衛隊基地爆破事件

 稲妻のような閃光と地響きを伴った爆発音が宵闇の静寂を破った。空気中の水分を全て吸い取るような白い粉塵が辺りを覆い街灯の光を遮断、一瞬だが暗闇に包まれた。
 爆風は静まり返った深夜とあって百㍍離れた民家の窓ガラスを叩き、付近の住民に東日本大震災の時を思い起こすに十分な衝撃を与えた。
 「航空機が爆発したのでは?」
 基地の当直主任をしていた藤井は本館を飛び出し格納庫の方向を確認した。なんの変化もなかった。確認するように今度は、身体をゆっくり回転させた。
 「あれだ!」
 藤井に続いて隊舎を飛び出した二等空曹が指さした方向を見た。視線の先は基地の正門。白い粉塵が舞っている。
 「藤井班長!行きますよ」
 数人の若い空曹はかけ声と同時に現場目がけて走り出した。一人は携帯で一一〇番通報しながら走っている。藤井もこれに続いた。何があったのか瞬時には理解できなかった。正門の警衛所からの連絡も入っていない。
 正門まではゆうに百㍍はある。途中まで来た時サイレンの音が聞こえてきた。その音量は次第に大きくなっていく。
 「交通事故にしては粉塵が多過ぎる…爆発しそうな物はないのだが…」
 藤井の頭は混乱した。白い粉塵も治まりつつあった。
 さらに近づくと警衛所の北側と東側の壁がほとんど崩れ落ち、南側のガラスは全て割れている。僅かに西側の壁と鉄の柱が残っているという無惨な姿だった。
 北東の近くにある六角形の赤煉瓦門柱の一部のタイルが落ちてコンクリートがむき出しになっている。
 次々に到着する消防車や警察のパトカーの赤色灯の照明に浮かびあがる無惨な光景を目の前にした藤井の足がすくんだ。
 この光景に藤井が感じたのは「爆弾テロかも?」と思う一方で「なんでこんな時間なのか?」と疑問を持った。
 この警衛所の建物は昭和五十年代に建てられたもので、クラシックタイプのコンクリートボードが壁材料に使われている。鉄骨コンクリートでないため壊れ方が激しいが、赤煉瓦の門柱の表面の格子柄のタイルを見ると爆発物の威力が想像できた。
 門柱に掲げた重さ六十㌔近くもある銅板の門標が地面に落ちている。緑青の出た銅板に「航空自衛隊松島基地」の金ピカ文字が輝き、歴史的な重厚さを感じさせるもので、基地を訪れる観光客の記念写真の背景に使われていた。
 警衛所の北東隅の建物の外にあった掃除道具などを入れるアルミ製の箱が体をなしていないほどぼろぼろになっている。
 藤井は腕時計を見た。午後七時を過ぎたばかりだ。僅かだが西の空に明るさが残り、新月が何事もなかったように下界を見つめていた。
 「道具箱付近が爆心地かな?」と藤井は直感的に思った。
 火が出でいないため消防車の放水がない。おかげで、砕けたコンクリートボードの粉塵が時折吹く海風にブリザードの様に地面を這う。火薬の匂いと合わさって容赦なく鼻や口から入り込んでくる。
 基地内には隊員たちが集まり、不安げに眺めている。基地の前を通る道路は交通規制されているものの、野次馬が集まりだし、警察官が整理に追われていた。
 この日の警衛は警務隊員で空尉の小坂登喜雄。午後六時から一人体勢になっている。藤井は小坂を捜した。発生時の状況を聞くためである。しかし、どこにもその姿は見えない。
 基地内待機班の警務隊員も到着。敬礼を受けながら藤井が指示した。
 「凄い爆発のようだが、小坂空尉がいないんだよ。探してくれないか」
 小坂一等空尉は現場の直近にいた者として警察の聴取の前に事情を聞かなければならない人物である。状況を聞いた後で幹部に報告する予定だ。指示を受けた隊員の一部は損傷の激しい警衛室に入った
 松島基地のトップは第4航空団司令兼松島基地司令で空将補の野見山孝一。就任したのは一年前だった。
 航空自衛隊の階級は空将の下に空将補、一等空佐から三等空佐、一等空尉から三等空尉、曹長がいて下に一等空曹から三等空曹、准尉、士官などと続く。藤井辰夫はその中の二等空佐できょうの当直の班長だった。
 松島基地は東松島市に所在し、ブルーインパルスで全国的に知られているが他に救難隊や気象隊も同居する。保有する航空機もブルーインパルス用のT丨4から戦闘機のF丨2、救難機のUH丨60Jなど多種にのぼる。
 藤井が小坂の顔を見たのはこの日の夕方。当直任務に着くという報告を受けた。そんな思いをしていたその時、ただならぬ声が警衛室内から聞こえてきた。
 「藤井班長!ここです。建物の中にいました」
 声の主は門柱付近にいた警務隊員だ。異様な叫びに警察、消防隊も一斉に注目した。
 藤井が駆けつけると室内は崩れ落ちたコンクリートの破片やガラス、机や椅子が散乱している。
 壁近くの床は、瓦礫から浸みだしたような水液で真っ赤なに染まっている。コンクリート片の隙間からグリーンの布が僅かに見える。制服だ。
 藤井が近づくと生臭い匂いが鼻を突いた。まぎれもなく人間の血の臭いだ。藤井は布を覆っている瓦礫を丁寧にひとつずつ取り払った。覆っている瓦礫の数が少なくなるにつれて布は次第に丸みをおび、人の形になっていく。
 赤く染めていたのは人の血…おびただしい量である。藤井の瓦礫を取り除く手は真っ赤に染まった。藤井は心の中で祈った。
 「そうであって欲しくない」
 瓦礫の量が無くなると同時に絶望感に変わった。それはまぎれもない制服を着た人だった。
 「おいっ小坂!」
 藤井は大声をあげながら、身体を覆ったさらに細かな粉塵を払い、うつ伏せになっている身体の右肩を上に横向きにして顔を確認しようとした。胸にあるワッペンが見えた。「AP」と金文字で刺繍された基地警務隊のワッペンだった。
 「しっかりしろっ!小坂」
 それは絶叫に近かった。無駄と分かっていても自然に出てしまうのだ。小坂を取り囲む他の警務隊員も同じだった。
 「小坂!何があったんだ !」
 隊員のすすり泣く声…
 小坂は白地の腕章が付いた腕と右足の骨が粉々に砕けている。後頭部が潰れ、頭の髪は血糊でべったり。顔もグチャグチャで人相すら分からない。
 「小坂!辛かっただろうなあ…」
 藤井と警務隊員は遺体の前に跪き、両手を合わせ冥福を祈った。あまりにも無惨な姿に藤井は涙が止まらなかった。嗚咽が止まらない隊員もいた。藤井の左肩がたたかれた。
 「基地の方ですね。ここは立ち入っては困ります。外に出て下さい。何にも触れないで下さい」
 かなり威圧的だった。
 「東署の者ですが、事情を聞きたいので司令車まで来て下さい」
 「わかりました。私は基地を管理する警務隊の責任者です。その前にこの状況を幹部に報告させて下さい」
 「電話でしたらうちの車の中にありますが…」
 「いや、携帯がありますので結構です」
 藤井は緊急連絡用の電話番号を押した。野見山は四回のコールで出た。
 「今夜の当直の藤井です。夜分に済みませんが…」
 ここまで言った時、野見山の怒鳴り声が藤井の鼓膜を突いた。
 「臨時ニュースで知ったよ。なぜもっと早く連絡できないんだ。現場はどうなっている」
 「正門の守衛室と門柱の損傷が激しく、鋼鉄製の門扉は形をなしていません。なにかが爆発したためと思われます。警衛の小坂空尉が遺体で見つかりました」
 「機体には異常がないんだな」
 ないという報告を聞いた野見山の声が落ちついてきた。
 「隊員の死より機体が大事なのか」と藤井は憤りを感じた。
 「私はこれから警察の聴取を受けますので…」
 藤井は携帯を折りたたみながら、警務隊員には駐機場、格納庫を中心に基地内の見回りの強化を指示。警察車両のワゴン車に向かった。先ほどの私服刑事がスライド式ドアを開けて待っていた。
(つづく)

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