警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(14、15日単位・レベル)
逃げられませんよ
【治安つぶやき】
昨年まではひき逃げ事件の発生が減少傾向にあったが、今年になってなぜか?発生が目立っている。
14日朝、茨城県笠間市で、近くの66歳の男性がひき逃げされたほか13日の成人式には岡山県警倉敷署管内で新成人になったばかりの建設作業員が逮捕されたのをはじめ、大阪・阿倍野区では職務質問の警察官をはねて逃走を図り警察官が発砲するなどの事件。
茨城県古河市の国道では道路上で跳ねられて死亡している女性が発見された。11日未明には神奈川・川崎市で43歳の会社員のバイクを跳ねて逃走していた21歳の男が捕まるなどチェックできただけでもこれだけある。
ひき逃げ事故を起こした後、なぜ?逃げるのかについて警察庁がまとめた数字がある。1位は事故を起こしたことを恐れてが790件。2位が被害がたいしたことないと思ったが773件。3位が飲酒運転で551件。以下、事故を起こしたことが半信半疑だったが458件。逃げれば分からないが425件の順。
「逃げれば分からない」という勝手な理由が多いのは千葉79件、大阪68件、埼玉58件と続いた。科学捜査に防犯カメラなどのインフラは君たちを逃がさない。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
本日の警察マスコットは神奈川県警の「ピーガルくん」です。
★★ 本日からweb小説「防諜テロリストを捕捉せよ!」連載を始めます。日本版NSCの誕生に合わせて、日本国内で暗躍する北朝鮮やアラブのテロリストと一人の刑事の戦いです。
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防諜 テロリストを補足せよ
プロローグ 1
「やあミスタータイガーお帰りなさい」
日本語とはイントネーションが違う言葉で迎えられた影虎。ここは東京・西麻布二丁目のセントラルビル地下一階にあるバー「レッドローズ」。開店時間前とあって店内にはこのバーのマスターでアメリカ人のデビット・ジョンソンひとりだけだった。
すらりとした一八七㌢はある長身。茶髪で僅かにウエーブのかかった髪。ギョロリとした目に顎が細くて堀が深いバランスのとれた顔は、あのアメリカ映画「ハンター」や「荒野の七人」に主演したスティーブ・マックイーンに似ている。
木製のドアを開けて入ると黒を基調とした店内に琴の名曲のBGM「六段の調べ」が流れている。十人が座れるカウンターに四人がけのテーブル席が五席あった。
六本木通りを挟んで南側にはギリシャ大使館やルーマニア大使館、ウクライナ大使館など在日大使館が多く、アメリカやイギリスなど欧米の大使館員も含めて世界各国の大使館員の〝隠れ家〟的な存在になっている。
ただ違っているのはデビット・ジョンソンはCIA(アメリカ中央情報局)の秘密諜報員であることだ。顧客はそんな事は全く知らない。影虎は警視庁警部・明智勇、五十三歳。二人は影虎が「ゼロ」に在籍した時からの知り合いである。
「ゼロ」とは「チヨダ」の分身。「チヨダ」は警察庁警備局警備企画課の裏組織として存在した。国内で共産党などの見張りや政府転覆を謀る組織の監視、情報を収集する公安警察だ。
責任者は人事記録にも載らない「裏理事官」としてキャリアの警視正が配置されている。日本国内にいる様々な職業の協力者の管理のほか警視庁公安部をはじめ全国の都道府県警察にいる作業班(刑事)の指揮官でもある。
その「チヨダ」は神奈川県警管内で日本共産党幹部宅盗聴事件が発覚して社会問題になり廃止になった。それ以降は「ゼロ」と改名され現在も裏活動を続けている。
影虎とジョンソンは二〇〇一年九月十一日のアメリカ同時多発テロ事件で知り合ったカウンターパートだ。
テロ事件の一か月前にアルカイダの人物数人が成田空港からアメリカに向かったという情報により、日本国内での足取り捜査のため来日したジョンソンに、警視庁公安部の影虎が警察庁の要請で捜査に協力した。
アメリカは同時多発テロ事件以来、テロ対策の最重要課題としているのがアルカイダ対策。アルカイダは日本をはじめフランスやイギリスなど世界各国にメンバーを配置し、その国の組織などと連携したテロ組織の拡大を図っているとして、日米の捜査当局が警戒を強めている。
ジョンソンはアジア担当で日本語が流暢なことから、影虎とは息が合った。同時テロ事件の翌年には日本駐在の秘密情報員となって来日。以来、影虎とは情報交換を密にしている。
レッドローズはアメリカはデトロイトのゼネラルモーター関係者が経営していると言われているが定かではない。ジョンソンは〝隠れ〟マスターで一か月も二か月も行方不明になる時がある。
ジョンソンは影虎の虎の文字をとってミスター・タイガーと呼び、影虎はジョンと呼ぶ間柄だ。
「暫くでした。儲かってまっか…」
この挨拶は二人の間では「仕事は順調に進んでいるか」という意味が込められた〝共通語〟だ。
「暇していた時だけにジョンの電話に水を得た魚みたいだよ」
「ミズヲエタウオってなんだ?」
「仕事ができるので生き生きとしているということだ」
ジョンソンは両手を広げて首を傾げ、戯けのポーズをとった。
「オーノー…日本語は難しいな」
そして続けた。
「きょうはタイガーにご褒美をあげようと思って呼んだのだ」
ジョンソンはカウンターの後ろにあるカバンから資料を出して影虎に説明を始めた。
「我がCIAが今年一月にボストンでアレクスという男を逮捕した。フランス国籍だがアルカイダのメンバーだった。青い目の男と呼ばれていた」
ジョンソンはそう言って一枚の写真を影虎に渡した。それは二人の男のポーズ写真だ。撮影場所はアメリカ国内の港のように見えた。
ジョンソンは、髪は茶色でギョロッとした目と茶色の太い眉が接近、堀の深い顔立ちの男を指さして話し始めた。確かに青っぽい目をしている。
「この男が逮捕したアレクスだ。彼は新潟というところが発行した外国人登録書を持っていたんだ。そして日本製の携帯電話を持っており、頻繁に連絡していた相手の番号がある。所有者の名前が分からないが080・139×・×5××と090・875×・6×××だ。情報として提供する」
頷く影虎にジョンソンはさらに続けた。
「中でもアレクスと090・875×・6×××との通話内容はTNT火薬だ」
「えっ」
影虎は驚いた。これは重要な情報になると思った。
「分かった、サンキュウだ。その番号を調べたら報告しようか?」
「我が国に関係ある情報なら必要だが、君たちの国の関係なら報告は要らない。自分の国は自分で守ることだ」
今度は影虎がジョンソンに確認した。
「ちょと助けてほしいんだ」
「ヘルプだと!」
「そうだ。イスラム過激派のラジム・ユセフが本国に引き揚げて別の男が代わりに配置されたという情報があるが、その情報入っているか?」
「それはジャマン・ナマンガニという男だろう。ナマンガニとユセフが交替しただけでなく増員されたという情報もあるぞ」
ジョンソンは拭いていたワイングラスを置いて、後ろの棚に置いてあったバッグの中から今度はタブレットを取り出して画面の写真を示しながら言った。
「ジャマン・ナマンガニ。この男だ。三十八歳。アルジェリア系フランス人と聞いている。身長は小柄で百七十㌢ぐらいだ」
タブレットの写真の男は、東洋系というよりはヨーロッパ系が入っている人相だった。眼が窪んで鋭く、黒くて太い眉。黒いあごひげがある。
「この男は両腕にタトーを入れているのですぐ分かるはずだ。我々は日本国内にはアルカイダの工作員が十一人いると見ているが把握しているか?」
「東京、大阪、茨城、新潟、福岡など十人のポジションは概ね把握しているが連中の動きが激しい」
「我々も正確に把握していないが、アルカイダの動きが慌ただしくなっているから注意することだ」
「日本でか?」
「ノー、東京だけでない。ワシントン、ニューヨークやロンドンでもだ。東京にニシカマタというところはあるか」
「大田区にあるが…」
「そこにタカベセイサクショというところがある。何かのマシーンを作っている会社だ。しかもそれはプレシャス(精巧)なものだ。警戒するならそこだ」
「ありがとう。大変参考になった」
「聞きたいことがある。ギブアンドテイクだろう」
そしてジョンソンは北朝鮮の金哲秀(キム・チョルス)の名前をあげた。
「今何しているか知りたい。最近彼はメルアドを変えたのか情報が入手できなくなった」
「金哲秀は二年前に大阪総連にいたが今は、北区王子にある東京総連合会の幹部だ。一部情報では工作員の束ね役という話も出ている」
「タバネヤクってなんだ。千代田区にある在日北朝鮮総連合会と違うのか?」
「失礼、キャプテンだ。ビルの売却問題の時に名前を変えて引っ越した」
「オーケイ、サンキュウ」
「なぜ?そんなことを聞く?特別の情報を持っているのか?」
「我が国は日本の普天間以上に、対中国と北朝鮮の作戦上で重視しているのがサウスコリア(韓国)へのオスプレイの配置だ」
ジョンソンの説明によると韓国も済州島の海軍基地のあるビレッジ・カンジョン(江汀村)へのオスプレイ配置を希望しており、米・日・韓の合同軍事演習の要にする方針だという。
韓国内では計画段階で基地建設に大きな反対運動が起きたことから、韓国政府はオスプレイの配置の実現に向けて在日韓国大使館に国防部の特使を派遣、日本国内におけるオスプレイの反対運動への対処方法などの情報を収集していることを明らかにした。
そしてこんな情報も漏らした。
「金哲秀はわが国が極東対策のため配置したオスプレイの情報を入手しようとしている。オスプレイは君たちの国にとってもノースコリア(北朝鮮)やチャイナ(中国)に対する軍事抑止力として大事な戦力のはずだ…」
さらに続けた。
「ここが大事だ。ノースコリアはミサイルで攻撃するポーズをとっているが、ミサイル攻撃のような外的な攻撃ではなく、その国の内部に潜み、内部を攪乱する戦略をとるように変化しているのだ」
「そうすると国内での対策を変える必要があるな…」
「そうだ。既にサウスコリア(韓国)では国家情報院が国会議員を逮捕している。ノースコリアの工作員の言いなりになって地下組織を結成していたんだ」
ジョンソンの独演会になってしまつた。
「その議員は秘密集会まで開いていたという。ノースコリアは韓国の石油施設、火薬工場、通信施設の爆破計画までしていた。これからはアルカイダと合わせて注目していかなければならない」
さすがCIAである。影虎は心配になった。
「金哲秀は日本国内にいる北朝鮮の土台人およそ五千人のキャプテンとなればその情報は放置できないな」
「ドダイニンとはなんだね」
「ファンデーションだよ。この呼び方は韓国の工作機関が使うもので、北朝鮮の諜報・情報部機関が日本に潜入する際、対日工作活動の土台、ファンデーションとなる人間だよ。この土台人は特別永住者、つまり在日朝鮮人の場合もあれば、その二世。あるいは日本人と結婚するなどして帰化した人物もいるんだ。拉致事件ではあの辛光洙(シンガンス)のように拉致した者になりすまして入国した不法入国者もいる。日本はスパイ天国だからな」
「だから日本はアメリカのようなNSC(国家安全保障会議)の設立を考えているそうだな」
「ようやくだ。間もなく政府が発表する」
「イギリスではSIS(秘密情報部)、韓国でさえANSP(国家安全企画部)を持っている。ミスタータイガーのところは国家レベルの諜報機関を持たない。これで、ようやく世界のレベルに達するな」
ここまで話した時、ジョンソンは、口に人差し指を当てて「黙れ」のポーズをとった。
ドアが開いて一人の女性が入ってきた。
「おはようございます」
まるで芸能界のような挨拶だった。
「うちのフロアレディだ。ベトナム国籍だよ」
「ホステスは何人いるのか」
「日本人以外では彼女のほかにタイ、フイリピン、ベトナム、スリランカ人と全部で五人いるぜ!」
「よく東南アジアばかりを揃えたものだ。アラブ人はいないのか」
「いたら最高だが残念ながらいない。彼女たちは介護の資格をとるため来日している専門学校生だ。勿論、就学ビザだから心配するな」
「分かった。ありがとう」
椅子から立ち上がる影虎を見てジョンソンが言った。
「ミスタータイガー、一杯飲んで行くか?」
「ノーサンキュウだ。その時は改めて出直して来るよ。グッバイ…」
ジョンソンは手を振りながら「グッドラック」の言葉を返した。
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