「民間を接待」と経費精算=基金幹部との交際で-ドイツ証券汚職事件・警視庁(5日)時事
ドイツ証券の過剰接待事件で、贈賄容疑で逮捕された同証券社員の越後茂容疑者(36)が、「三井物産連合厚生年金基金」(千代田区)の元常務理事、釣沢裕容疑者(60)=収賄容疑で逮捕=を接待後、「民間企業の関係者だった」などとして、経費精算していたことが5日、捜査関係者などへの取材で分かった。
厚生年金基金の役職員は法律で「みなし公務員」とされ、収賄罪の対象となるため、同課は発覚を免れるため越後容疑者が偽装工作していたとみて調べている。
関係者によると、越後容疑者が所属していた年金ソリューション営業部では、部員全員が、厚生年金基金の役職員を接待する際、同様の経理処理をして交際費を申請していたことが社内調査などで発覚。同部はこれらの理由などから廃止に追い込まれたという。
ドイツ証券をめぐっては、証券取引等監視委員会が同日午後、三井物産の基金を含む三つの厚生年金基金に対し、それぞれ30~40回、総額約630万円相当の過剰な接待をしていたとして、金融商品取引法に基づく処分を金融庁に勧告した。金融庁は勧告を受け、業務改善命令を軸に処分を検討している。