警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(5、6日単位・レベル)
虎穴に入らずんば虎子を得ず
【治安つぶやき】
前日は警察官の不祥事の話だったが、今回はその中で警察官による情報漏洩の話だ。
5日の産経新聞社会面はこの情報漏洩問題を扱っていた。
同紙によると警視庁の暴力団担当担当の巡査部長が暴力団住吉会に、山口組の組長など個人情報を流していたとして逮捕された。
今年5月には愛知警のOBが捜査情報を漏らす見返りに現金を受け取っていたことが明らかになった。香川県警の警部補が上司だったOBに暴力団員の前科などの情報を提供していた。
映画や小説などには潜入捜査官が登場するが、現実はそんな身分の警察官は存在しない。だが、古くは組織の中に情報提供者を置いて情報を得ていた事例はある。そう言えば、歌舞伎町交番に潜入しているころ、刑事なのか本当の暴力団員か分からなかったことが何度もあった。
しかし、今、それをやったら「担当の刑事と暴力団員の癒着」として職を失ってしまうだろう。それが、情報漏洩に繋がるとすればなおさらだ。
先日、アメリカの女性が亭主殺害を殺し屋に持ちかけた映像が流されていた。依頼を受けたのが実は警察官だった-囮捜査である。
我が国では一部の罪種を除き囮捜査は禁止されている。その結果はどうか…
暴力団から右翼、過激派、密売集団、テロリストに至るまで内部情報は得られなくなっている。その中で暴力団は抗争を繰り返し、組織の裏側ではけん銃や麻薬が取引され、世の中に出るのは氷山の一角にすぎない。本当の裏が分かれば、国民は驚くことになるだろう。
「虎穴に入いらずんば虎子を得ず」-もうこんな格言も通じない世の中になってしまつた。古いしきたりが失われて行く社会には嫌気さえ感じる。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
新連載小説「警視庁公安部」 最終回
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