警視庁管内体感治安レベル2
首都東京体感治安(30、31日単位・レベル)
罪を憎んで人を憎まず
【治安つぶやき】
5人を殺害し放火までした凶悪事件-発生当時は凶悪さだけが目立ち容疑者の男の全体が見えなかったが、時間が経つにつれて見えてきた。
それにしても男が飼っていた犬が身柄を確保されるとほぼ同時刻に心臓発作で死亡したという。男が唯一、心をゆるしていた愛犬だろう。捨てられた犬を男が買い取って育てていたというから因縁か…
その愛犬との生活ぶりを見てきた元ヘルパーは男をこう評価する。「死亡した両親の介護に熱心で、もの凄く面倒見が良く悪い感じの人ではなかった」
さらに中学3年の時の同級生だった男性は今回の事件に「あの優しかった男が何故?」と疑問を呈する。
そして男が警察に相談したのは「地域で悪口を言われている」と相手の名前まで挙げていたという。さらに部屋には周辺住民への不満を書いた貼り紙まであった。
凶悪犯を擁護するわけではない。なんでこんな事件がおこるのかだ。「周囲の人から受け入れてもらえなかった」から孤独になったのか。周囲と馴染もうとしない意固地さで自分自身を孤独に追い込んだのか…人と人の付き合いがこんなに大事ということを教えられた事件であった。
わずか8世帯、14人という家族的な地域社会。結びつきが強い地域社会と個人主義中心の都会での生活の経験者。お互いに相容れられない部分があったのではないのか。
罪を憎んで人をにくまず…である。
首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。
新連載小説「警視庁公安部」
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12 調べ室その3
結城「なんでマスコミに毎回毎回犯行声明を出したんだ」
村井「大々的に報道されることによって良識ある国民に、北朝鮮の極悪非道な実態と弱腰政府の対応を認識させる必要があったからです」
結城「それで弾丸の送付や爆弾の設置などエスカレートした訳だな。じゃ議員らに対する弾丸の送付の目的は?」
一連の事件の流れで標的を組織から個人に変えた重要な部分である。
村井「売国奴の国会議員が許せないのもあるが、対象を変えればマスコミに対するアピール度が大きくなるだろうと思いました」
結城「ところで建国義勇軍と名乗ったのは君が命名したのか?」
村井「これは教育勅語を踏まえて自分が考えたものです」
公安で右翼を担当しているなら教育勅語ぐらいは知っている。しかし知っていても相手に言わせることである。
結城「申し訳ない…俺、難しい話は知らないのでその勅語の部分を詳しく教えてくれないか」
村井「教育勅語に『一旦緩急あるときは義勇公に奉じる』という一節があるんだよ。これは国難が発生した時には奉公の精神を持って国の建て直しに身をささげなければならいという意味なんだ」
なるほど、村井は北朝鮮に同胞である日本人が拉致されたりしたのは「国難」と受け止めていたのかと結城は思った。こうしたことから村井は「義勇」という言葉を使い、何とか我が国を立て直したいという一念から建国義勇軍と命名したのは理解できたのである。
結城「朝鮮総連や社民党は分かった。じゃ日教組は、どう解釈すればいいんだ」
村井「国内にも問題があるんだよ。日教組のように教育現場の思想を堕落させている国賊もあることから、そのような国賊に攻撃を加えるときには建国義勇軍国賊征伐隊という名で犯行声明を出そうと考えた」
結城「それが広島県教祖に対するけん銃発砲事件に繋がるわけか…」
村井「そうです」
結城「君が撃ったのか?…君ひとりで?」
村井「いゃ、あの時は服部君が撃った。現場には車二台で行った。あらかじめ木川君が下見をしており、服部君と麻生君の運転する車で行ったが現場はすぐ分かった。自分と麻生君が見張りをして、服部君に撃たせた。犯行声明は田村君が出した」
結城「この時、初めてけん銃を使ったのか?なんでけん銃なんだ」
村井は一段と声を大きくしてこう言った。
村井「先に言ったでしょう。弾丸の送付と合わせ、けん銃発砲もマスコミが大きく報道するよう期待してやったことなんです」
村井は正当性を主張し始めた。「テメエの都合の良いことだけ声を大きくしやがって…」。村井の話を聞いていると結城にはストレスが残るばかりだ。しかし、これも耐えなければならない。公安の調べ官として平常心、平常心… つづく
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