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2013年7月26日 (金)

警視庁管内体感治安レベル2

首都東京体感治安(26、27日単位・レベル)
深刻な問題だ
【治安つぶやき】

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 平成22年4月、富山市の会社役員夫婦が殺害された事件で殺人などの容疑で逮捕された元警部補が嫌疑不十分で不起訴になった。
 逮捕当時の供述と客観的証拠が食い違っていたのにも関わらず逮捕したという。ひいきに見てもよく逮捕、送致したものと不思議でならない。あくまでも嫌疑不十分だから完全無罪ではないが、捜査力を問われる。
 富山県警の問題は今回だけではない。平成14年には16歳の少女の強姦未遂で34歳のタクシー運転手が逮捕され、その後も別の少女を強姦したとして再逮捕された。
 地検も犯人の足跡が28㌢だったのに対して運転手は24.5㌢という違いがあるのにもかかわらず起訴し、懲役3年が確定した。ところが平成18年になって他の県警に逮捕された男が犯行を自供。冤罪であることが分かった。
 平成7年には覚せい剤取締法違反で39歳の男が逮捕されたが、県警幹部の一声で立件が見送られたことがあった。
 当時、警察庁が富山県警を検証した。結論は「ボス」の存在だった。5年間も刑事部長をするなどワンマンになってしまう。今回も捜査に影響を与える人事面での問題が背景にあるのではないかと疑いたくなる。
 それにしても堺市ではガソリンスタンド窃盗事件で逮捕された22歳の会社員にはアリバイがあって起訴が取り消されたり、長野県警では70歳代の女性が詐欺で告発しようとしたのに受理しなかったりするなど、仕事の技量・力量が問われる事犯が多すぎる。
 首都東京体感治安は「レベル2(ブルー)」とする。

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 ⑧一斉逮捕

 内尾は「多くの法律家は、ひとつの事件単位で考えるべきであり、ひとつの事件を九九㌫以上の有罪の心証が必要だと主張している」と一時は、難色を示した。
 しかし、そこには二人の阿吽の呼吸があり、最後に内尾は「共犯理論でいくなら東京事件の三人だけでなく、警察官の記録のある大阪事件の『立ち小便の男』と、複数の防犯ビデオが存在する広島事件と合わせて六人の逮捕が望ましい」と主張した。
 これには伊藤も了承し二人の結論は「逮捕状請求は東京、大阪、広島の三事件で六人とし、実行犯は特定できていないものの、Xデーを十二月十九日にする」ことで一致した。
 逮捕令状請求者は次の通り。
 村井一郎(五四)は東京、大阪、広島事件に関与▽中林隆一(三二)は東京事件に関与▽服部達也(四〇)は東京事件、大阪事件、広島事件に関与▽野口三雄(五二)は東京事件、大阪事件に関与▽麻生孝一(三八)は広島事件に関与▽早水春夫(四六)=仮名=は三事件に参加していないが村井使用のけん銃と弾丸の入ったアタッシェケースを保管。以上六人は建造物損壊、銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で、さらに全国九十一カ所を同容疑で家宅捜索令状の請求となった。
 ところが請求を受けた東京簡易裁判所は、誰が実行犯かの特定もできず直接証拠もなく、共謀の事実も掴めない状況での逮捕令状の請求に渋った。
 しかし捜査本部は計画、下見、ビデオからの運転担当や犯行声明の声紋から役割を分担していることは確実で、刑法六十条の共犯理論を元にして事件を組み立てれば立件が可能とねばり強く説得。審査に丸一日の時間を要したもののようやく発布を得たのだった。
 こうして十二月十九日、合同捜査本部の協定警察職員は伊藤の指揮のもと全国九十一カ所の家宅捜索を実施。
 村井を岐阜市西川手の自宅で午前八時五十五分逮捕したほか、中林は神奈川県横浜市の自宅で、服部は兵庫県姫路市の自宅、野口は神奈川県横浜市の事務所、麻生は岐阜県鳥羽市の駐車場、早水は岐阜県鳥羽市の自宅でそれぞれ午前八時四十五分から十時の間に逮捕。身柄を東京に移し、分散留置とした。
 さらに捜査本部は同日、九十一カ所の家宅捜索を行い、二十九人の任意取り調べを行った。
  主犯の村井など逮捕した六人の役割は次の通り。
 主犯の村井一郎(五四)は東京、大阪、広島事件でそれぞれ役割分担を指示したほか犯行に使用したけん銃を準備。東京、大阪は自ら実行役となり発砲した。
 中林隆一(三二)は東京事件で車を運転し野口と現場の下見をして村井を案内した。
 服部達也(四〇)は大阪事件で下見をして当日は実行犯の村井を現場に車で案内、見張りをしている。広島事件では自ら車を運転して実行。犯行翌日中国新聞に電話で犯行声明。東京事件では犯行翌日に朝日と毎日新聞に犯行声明の電話をかけた。
 野口三雄(五二)は東京事件では中林とともに下見をしたほか実行時は見張り役を担当した。大阪事件でも見張り役をしている。
 麻生孝一(三八)は広島事件で車を運転、現場で見張りをしている。
 早水春夫(四六)は三事件に参加していないが、村井が使用または準備したけん銃と弾丸の入ったアタッシェケースの保管役だった。
 さらに捜査本部は翌二十日に第二次逮捕を行い、逮捕状を得た六人の身柄を確保する予定だった。ところが逮捕直前、刀剣友の会理事(五四)が入水自殺したため五人の身柄を確保。ひとりを指名手配した。
 逮捕された被疑者と係わった事件名は次の通り。
 鹿島栄二(四八)=仮名=はオウム真理教西荻施設に対する銃撃。伊東均一郎(五二)=仮名=と山崎葉一(五五)=仮名=は朝銀中部信用組合名古屋支部銃撃。土畑公平(四一)=仮名=は朝鮮総連と新潟県本部に対する銃撃。田村誠二(五〇)=仮名=は審議官宅に対する不審物設置容疑。
 広島県教組銃撃事件で指名手配されていた木川文雄(三五)=仮名=は二十二日新橋駅前交番の前で捕まっている。
 一方、十九日の九十一カ所にのぼる家宅捜索で多くの証拠品を押収できると思っていた捜査本部に衝撃が走った。けん銃一丁も発見できなかったのである。報告を聞いた副本部長の公安部参事官が決心した。
 再度、刀剣友の会事務所や関係者、特に村井のけん銃保管役と見込んでいた速見の自宅などの家宅捜索を実施することとし、捜索の指揮官には荻窪署の生活安全課長を下命した。
 その結果、刀剣友の会事務所でけん銃一丁と速見が預かっていた村井のアタッシェケースを押収したのである。
 逮捕はこれだけでは終わらず被疑者を突き上げた結果、村井にけん銃を譲渡した容疑で会社員の黒崎光男(四五)=仮名=を神奈川県藤沢市の自宅で十二月二十八日に逮捕。捜索で古式銃など十八丁を押収した。鑑定の結果五丁は銃としての機能を有していた。
                             つづく

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