ネットの罠、脅威の乗っ取りウイルス 「容疑者」一転、被害者の可能性も(8日)
パソコンが知らぬ間にウイルスに感染し、外部から好き放題に乗っ取られる-。インターネット犯罪の「容疑者」として逮捕された人物は一転、「被害者」だった可能性が出てきた。ネット上の大量殺人や爆破予告の書き込みをめぐり、大阪、三重で逮捕された男性2人のパソコンから新種のなりすましウイルスが見つかり、7日、相次いで釈放されていたことが判明。急速に巧妙化する不正プログラムはなりすましを警戒した警察の目をかいくぐり、ネットの闇の向こうで、第三者が遠隔操作した疑いも浮上した。
「歩行者天国にトラックで突っ込んで無差別にひきまくります。あと、ナイフで無差別に刺します」
大阪市のホームページ(HP)に殺人予告が書き込まれたのは7月29日。大阪府警はIPアドレス(識別番号)をたどり、8月初めにはアニメ演出家、北村真咲(まさき)被告(42)のパソコンが発信源と特定していた。
だが、北村さんは「まったく身に覚えがない」と任意聴取の段階から、一貫して書き込みを否定。府警は北村さんからパソコンの任意提出を受け、慎重に解析を続けていた。府警はなりすましを念頭に、ウイルス検索ソフトでプログラムを検証。メール内容も確認し感染の疑いがないか調べたという。可能性をつぶし、逮捕に踏み切ったのは約1カ月後の8月26日だった。
「考えられる捜査はやったつもりだが、見つけることはできなかった」
北村さんの起訴後に明らかになった新種ウイルスの存在について、捜査幹部は悔しそうに語る。
ウイルスの有無を調べる手法は、すでに明らかになっている不正プログラムのファイル名で検索するのが一般的という。新種ウイルスを見抜くにはパソコンの全ファイルを調べる必要があるが「そんなことをしていたら何十年もかかる。限られた時間では難しい」(捜査幹部)といい、対症療法的な捜査にとどまっているのが実態だ。
今回の新種ウイルスは、伊勢神宮の爆破予告をめぐり、津市の無職男性(28)を逮捕した三重県警が先に発見。ファイル名が特定されたため、府警も北村さんのパソコンの内容を復元し感染を確認した。北村さんと男性が釈放されたのは同じ9月21日だった。
北村さんのパソコンからはすでに不正プログラムは削除されており、第三者が遠隔操作で証拠隠滅を図った可能性もある。「完全な乗っ取りというのは予測できなかった。相当高度なウイルスだ」とある捜査関係者はその脅威に驚いた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121007/crm12100723190021-n1.htm
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