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2012年8月 6日 (月)

東電事故「立件」に高い壁 捜査開始も…難しい「過失」「傷害」の認定(6日)

前代未聞の事故で刑事責任は問えるのか。東京電力福島第1原発の事故をめぐり、検察当局は今月、東電幹部や政府関係者に対する業務上過失致死傷罪などでの告訴・告発を相次いで受理した。だが、事故の可能性を予見していたか、今回の放射線の被曝(ひばく)を「傷害」に問えるのかなどの立証には高い壁が立ちはだかり、検察内部では早くも「立件困難」との見方も広がる。

異例の公表 「要件を満たしていたから受理した。必要かつ可能な捜査を行う」
 東京地検は1日、通常は明らかにしない告訴・告発の受理を公表した。検察幹部は、その理由を「国民の関心の高さに配慮した」と説明する。
 全国の地検に提出され「留保」扱いとなっていた原発事故に関する告訴・告発は約20件。このうち5日までに、少なくとも東京、名古屋、福島、金沢の各地検が計6件を受理した。政府や国会など4つの事故調査委員会の結論が出そろったことで、捜査ができる状況になったと判断した。
 対象は東電の勝俣恒久前会長ら元幹部や、菅直人前首相、班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長ら政府首脳ら計30人超。これらの告訴・告発の大半の罪名が業務上過失致死傷罪だ。
 東京地検に同罪で告発状を提出した作家の広瀬隆さんらは、津波や地震への対策を怠った結果、事故を招き、住民を被曝させたことは「健康面でリスクを負う以上、傷害ととらえるのが適当」と主張。病院で入院患者らが取り残されて死亡したことは「致死」に相当するなどとしている。

「JCOと違う」
 ただ、こうした告訴・告発が、立件に至るまでのハードルは極めて高い。 業務上過失致死傷罪の場合、事故原因を特定したうえで、事故の発生を察知できたか、避ける努力をしたか、などの立証が不可欠だ。検察幹部は「原発敷地内に立ち入れず、詳細な現場検証はできない。事故原因に迫れるかも不明だ」と吐露する。検察当局が結果を待った4つの事故調でも、事故原因をめぐり一致した見解は出ていない。
 原子力関連施設をめぐっては、平成11年9月のJCO東海事業所(茨城県東海村)の臨界事故で、関係者が業務上過失致死罪で起訴されているが、「今回は未曾有の震災が引き金。平時のJCO事故とはわけが違う」(法務省幹部)。
 また、高い数値の放射線を短時間に浴びたJCOのケースと異なり、低い放射線量が健康に与える影響は専門家でも意見が割れており、事故との因果関係を証明するのは難しい。
 今後、各地検は最高検と協議し、捜査態勢を検討するが、立件可否の判断までは数カ月以上を要するとみられる。一方、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「不起訴処分にしたとしても、ほぼ確実に検察審査会に持ち込まれることになるだろう」と指摘する。検審の議決によっては強制起訴の可能性もあり、検察当局は国民の「民意」も見据えた難しい捜査を迫られそうだ。

Msn_s1 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120806/crm12080600410000-n2.htm

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