尖閣上陸認めず 事なかれでは主権守れぬ(28日)産経主張
野田佳彦政権は、尖閣諸島の購入計画を進める東京都が出していた調査のための上陸申請を認めない回答を示した。
先に国会議員らが求めた尖閣での慰霊祭を認めなかったのに続く不可解な決定だ。日本の国土になぜ日本人が足を踏み入れることがだめなのか、全く理解に苦しむ。石原慎太郎知事が「到底理解できない」と語ったのは当然だ。
藤村修官房長官は「尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理という国の賃借目的を踏まえ」「政府関係者以外の上陸は認めない基本方針がある」と繰り返した。
しかし、東京都の調査が安定的な維持管理の妨げになるとは、とても思えない。政府関係者に限って上陸を認める方針も納得できない。最近は、その政府関係者が上陸するケースもほとんどなく、無人島のまま放置されている。
これでは、中国や香港の活動家による不法上陸の再発は防止できない。地方自治体職員や国会議員の上陸を認めることは、そこに国の主権が及んでいることをより明確にする。中国の尖閣奪取の狙いを封じる抑止力にもなることを重ねて強調したい。
野田政権に、中国と事を起こしたくない「事なかれ主義」や対中配慮があったとすれば、極めて問題である。領土が脅かされている現状をそのままにする政府の基本方針では主権は守れない。
安倍晋三元首相は民放番組で、尖閣諸島に公務員を配置することの重要性を訴えた。日本の統治を強化する有意義な提案だ。
尖閣諸島で最大の魚釣島には、昭和63年に政治団体が設置し、平成17年から海上保安庁が管理している灯台がある。付近の漁業活動や船舶の安全のためには、職員が常駐できる大規模な灯台が必要である。地元石垣市漁協が建設を要望している避難港や漁業中継基地にも、職員の常駐が必要だ。
魚釣島には戦前、200人以上の鰹節(かつおぶし)工場の従業員が生活していた。自衛隊員の常駐も可能だ。
陸上自衛隊の東富士演習場(静岡県)で、敵部隊の島嶼(とうしょ)部侵攻に対する陸海空の3自衛隊による奪還訓練が初めて行われた。防衛省は陸自に水陸両用車両を導入する方針だ。尖閣を中国から守る有力な方策である。
国は都と牽制(けんせい)し合うのでなく、互いに協力して実効統治の強化策で知恵を出し合うべきだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120828/plc12082803190008-n2.htm
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