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2012年8月29日 (水)

振り込め詐欺 加害者の後悔 被害の涙 電話で見えず(29日)

 「振り込め詐欺に走るのは意志の弱い人間。自分もそうだった」。振り込め詐欺が広く知られていなかった二〇〇三年に犯行を繰り返し、警視庁に逮捕された男性(30)が本紙の取材に応じ、手を染めた経緯を語った。逮捕後、被害者の苦しみを知り、「必ず後悔する日が来る」と加害者に訴える。 (樋口薫)
 男性が詐欺を始めたのは二十歳だった〇三年。東京・渋谷のセンター街に入り浸って高校を中退。合コンやナンパに明け暮れた。数十万円の借金を抱え、ヤミ金融業者で働くようになった。
 ある日、同僚が債務者の祖母にかけた電話で、事務所の空気が一変する。「おれだけど、無免許で事故を起こしちゃって」。翌日には数十万円が口座に入金された。「何それ、おいしいじゃん」とまねを始めた。
 毎日、渋谷区や港区の局番を狙い、手当たり次第に電話をかけた。孫や息子の演技をして、怪しまれたら電話をすぐに切る。心配する気持ちにつけ込んだが、良心は痛まなかった。「ゲーム感覚で罪の意識もなかった」
 警察に逮捕されるまでの約一年間に、十数人で計約一億八千万円をだまし取った。逮捕後、刑事から被害者の話を聞き、初めて罪の実感がわく。
 だまされたショックで倒れ、入院中の高齢者がいる。蒸発した息子からの電話だと信じ続けている母親もいる-。「そんなにつらい思いをさせていたなんて」。被害者のことが脳裏から離れなくなった。
 男性は懲役三年の実刑判決を受け、二〇〇七年に出所。北関東の故郷に戻り、実家の仕事を手伝いながら暮らす。今も連絡を取り合う刑事に「詐欺に手を染めそうなやつに、経験を語ってやってくれ」と言われ、四月に「悪魔のささやき『オレオレ、オレ』」(光文社)を藤野明男のペンネームで刊行した。
 「手軽に金を稼ぎ、楽しい生活ができればよかった。面と向かってだませと言われたらできない。弱い人間だからできるひきょうな犯罪だった」と男性は振り返る。
 「今、詐欺をしている若者も同じ気持ちでは」と推察し、こう呼びかける。「欠けていたのは被害者が苦しんでいるという想像力。必ず後悔する日が来ることに気づいてほしい」(東京新聞)

2010_0123_11120247newslogo1 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082890135515.html

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