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2012年7月31日 (火)

児童相談所の「一時保護」めぐり、両親が東京都を損賠提訴(31日)

児童相談所の判断で息子と強制的に引き離されたのは不当だとして、両親らが東京都におよそ660万円の損害賠償を求める裁判を起こした。
被害を訴える母親は「保育園に迎えに行ったら、いつもある靴がなくて。先生たちも、ざわざわ、ざわざわ、何かいつもと違う雰囲気で。『実は...』っていうことで、息子が連れて行かれたということを聞かされて」と話した。
突然、子どもを連れ去られたと訴えるのは、東京・江戸川区に住む池田さん(仮名)夫婦。
2011年5月、仕事帰りに母親が保育園に迎えに行くと、そこに、当時1歳半だった四男・武(仮名)君の姿はなかった。
その原因となったのは、武君の腕に残る、痛々しいやけどの痕だった。
やけどの診察をした医師からの通報を受けた墨田区の児童相談所は、虐待と判断し、武君を強制的に一時保護した。
しかし、池田さんは「虐待ではなく事故」だと主張、児童相談所に武君を返してほしいと、強く訴えかけた。
被害を訴える母親は「『親の許可なく連れて行くことができるの?』っていうことは、まず、本当にびっくりと同時に、怒りというか...、言ってましたね」と話した。
母親の説明によると、座ってヘアアイロンを使用していた時に、近づいてきた武君に気づかず、偶然、武君の腕を挟んでしまったという。
一方、児童相談所は、武君を一時保護したあとに、実態調査を開始。
すると、ベッドから落ちてけがをしていたことや、たばこを誤飲していたことが発覚したため、継続して保護する必要があると判断。
武君を乳児院に入れるよう、家庭裁判所に申し立てた。
虐待から子どもを守るための手段なのか、それとも、「行き過ぎた」保護なのか。
そして、2012年1月、東京家庭裁判所は「虐待とまでは言えない」と、児童相談所の申し立てを退け、その後、東京高裁も判断を変えなかった。
被害を訴える父親は「(一時保護の)原因は、自分たち親がきっかけなんで。それは仕方ないと、今では思ってます。でも、児童相談所がやってきたことは、絶対に許せることじゃないんで」と話した。
そもそも、今回児童相談所がとった「一時保護制度」とは、どういうものか。
2007年の法改正により、児童相談所の立ち入り調査の権限が強化され、児童の安全確認が、より強制力を持った形で行われるようになった。
虐待から守るために、子どもを最長2カ月間保護。
その間、児童相談所は、虐待について調査し、2カ月を超える場合、両親の同意を得なくても、裁判所の許可を得れば、継続して保護することができる。
今回、武君を一時保護した墨田区の児童相談所を指導する、東京都児童相談センターを訪ねた。
都内11カ所にある児童相談所には、年間であわせて4,500件の虐待に関する通報が寄せられている。
担当者に、今回の武君のような一時保護について聞くと、都福祉保健局児童相談センター・坂本 靖相談専門課長は「幼い子が、救急搬送で病院に行ったはいいけれども、なかなか通常では起こり得ない、受傷しているだとか。そのお子さんが、今保護する必要があるということであれば、児童相談所の職務権限として、先に一時保護して、そのあとで保護者と対応をするという段取りになります」と話した。
7月26日、厚生労働省は、2011年度、児童相談所で対応した児童虐待の相談件数が、およそ6万件と、過去最多になったことを発表した。
さらに、2010年度の一時保護(2カ月)の件数は、1万2,673件と、この5年間で、およそ4割も増えている。
こうした状況に、新たな試みも行われている。
0歳から18歳まで、118人が生活している、東京・立川市の児童養護施設「至誠学園」。
ここでは、虐待をしていた親へのカウンセリングや、親子が宿泊できるスペースを設けるなど、家庭に戻るための訓練が行われている。
園長は、今回の池田さんのケースについて、「意見聴取というものは、不十分であると。誤解は、そこから双方にいろんな思いで解釈されていきますから。制度的に責任を持つ児童相談所が十分に調査し、親御さんたちに対しても、いろいろ聞く必要があると思います」と話した。
2012年1月、裁判で、やけどは事故と認められた武君は、10カ月半ぶりに両親のもとへ戻った。
しかし、被害を訴える母親は「全くわたしたちのことは忘れてました。想定は、わたしの中ではしてたんですけど、本当にショックで」と話した。
10カ月半の親子の空白。
そして31日、池田さんは「児童相談所は、一時保護期間中の調査を怠った」とし、運営する東京都に対し、660万円の賠償を求める訴えを起こした。
父親は「世の中の子どもを持っている親のためにも、公にしたく、今回、裁判にしたいと思いました」と述べた。
母親は「児童相談所の態勢も、変えていってもらえたらなという思いが強いです」と話した。
これに対し、東京都は「まだ提訴の内容がわからないので、今コメントできません」としている。

この問題を取材したフジテレビ社会部・百武 弘一朗記者は「(虐待について児童相談所としてはどう対応したらいい?)まずは、『疑わしきは子どもの利益に』という大前提を挙げたいと思います。今回のケースについて、裁判所は『虐待とまではいえず、事故』との判断を下しました。では、虐待があったとして、一時保護に踏み切った児童相談所の対応は、判断は間違っていたのかというと、専門家からは「絶対に必要な制度だ」との意見が多く聞かれます。それはなぜかといいますと、児童相談所が虐待の可能性を把握しながら子どもが死亡したケース。つまり、子どもの命を救えなかったケースは、東京・江戸川区の件(2010年1月)、さらに愛知・名古屋市(2011年10月)、静岡・伊東市(2012年5月)など多くあるんです。大前提として、まずは子どもの命を守るという視点が不可欠だと思います」と語った。

Logo4_2 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00228573.html

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