女性2人殺害 警察の対応に不備(5日)
千葉県に住んでいた女性にストーカー行為をしていた男が、去年12月、長崎県で女性の母親と祖母を殺害したとして逮捕された事件で、千葉県警など関係する3つの県の警察本部は、女性の父親から相談を受けていながら事件を防ぐことができなかったことについて、ストーカー行為への対応が積極的ではなかったうえ、警察の連携に不備があったとする検証結果を公表しました。
この事件は、千葉県習志野市に住んでいた20代の女性にストーカー行為をしていた筒井郷太容疑者(27)が、去年12月、長崎県西海市の女性の実家で、母親の山下美都子さん(56)と祖母の久江さん(77)を殺害したとして逮捕されたものです。
この事件を巡っては、女性に対するストーカー行為の被害を知った父親が、事件の10日前、千葉県の習志野警察署を訪れて被害届を出そうとしましたが、習志野警察署は「1週間待ってほしい」などと伝えてすぐに受理しませんでした。
こうした対応に、父親は「警察が逮捕してくれないのなら、私が捕まえるしかなかったのか」と強い不信感を示していました。
これを受けて、千葉、長崎、三重の3つの県の警察本部が5日、警察の対応についての検証結果を公表しました。
この中で、ストーカー行為への対応については、習志野警察署をはじめ3つの県の警察署が、自分の管内の事案ではないと判断し、積極的な対応をとらなかったとしています。
そのうえで、習志野警察署が「被害届を1週間待ってほしい」と伝えていたことについては、「切迫感をもたないまま、ほかの事件の捜査を優先した」としたうえで、「筒井容疑者から事情を聴く時期を早めるべきだった」としています。
また、事件の2日前に筒井容疑者が三重県にある実家から失踪した情報を千葉県警が把握しながら、長崎県警に伝えていなかったことについては、「筒井容疑者が、女性の実家がある長崎県に行く可能性まで思いが至らなかった。各県の警察に通報すべきところ、組織的な対応がとられていなかった」として警察どうしの連携に不備があったと認めています。
そして、こうした問題を踏まえた再発防止策として、今後、ストーカー規制法の積極的な適用を図るとともに、各警察署やほかの都道府県の警察と連絡調整を進めるために担当の指揮官などを配置し、情報共有を徹底するとしています。
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