天皇陛下、18日に心臓・冠動脈のバイパス手術へ(12日)
宮内庁は12日午後、天皇陛下について「心臓の冠動脈のバイパス手術をお受け頂くことが適切」だと発表した。手術は18日を予定している。天皇陛下は11日に東京大学医学部付属病院(東京都文京区)で、心臓の周りにある冠動脈の造影検査を受けていたが、医師団はその結果から手術が適切と判断した。
宮内庁によると、今回の検査で、1年前の検査で見つかった左冠動脈の前下行枝と回旋枝のうち、約90%の狭窄(きょうさく)がみられた回旋枝について、やや進行している部分がみつかった。このため医師団は「何らかの新たな対応が必要」と判断。協議の結果、「従来の生活の維持と更なる向上を目指して」、手術が適切との結論に達した。
手術は東大病院で、東大と順天堂大の合同チームで実施する方針。
陛下は昨年2月、東大病院で受けた検査で冠動脈の血管が狭くなる狭窄が発覚。この際は、血管に別の血管をつないで詰まった部分を迂回(うかい)するバイパス手術や、血管に細い管を通すカテーテル治療はせず、投薬による治療方針が採用。合わせて、数カ月に1回、心電図をつけて24時間過ごす検査を実施してきた。
その結果、軽い運動の際に時折、血液の流れが悪くなることを示す若干の変化が認められたため、前回の検査から1年となる11日に改めて東大病院で造影検査を受け、12日午後に退院して皇居に戻った。
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天皇陛下が受ける冠動脈のバイパス手術は、狭くなって血液が流れにくくなった冠動脈の先に別の血管をつないで、血液が別の経路(バイパス)から流れるようにするもの。全身麻酔をして、胸の正面を開く手術になる。人工心肺装置を使って心臓を止めて手術をする方法と、心臓が動いたまま手術する方法がある。入院期間は通常、2週間程度。
心臓への血液の流れを十分改善でき効果が長持ちする治療法で、心臓外科ではよく行われる手術。安全性も向上している。高齢者の場合は入院で体力が落ちやすく、術後の感染症などの予防や、運動によるリハビリも重要になる。
日本冠動脈外科学会の全国アンケート(417施設対象、回収率67%)では、2010年の1年間に冠動脈バイパス手術を受けた人は7975人(緊急や再手術を除く)。このうち、人工心肺を使わずに、心臓が動いたまま手術を受けた人は65%だった。手術を受ける高齢の患者は年々増え、70歳以上は49%、80歳以上は10%で、10年間でそれぞれ10ポイント、5ポイントずつ増えている。
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