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2011年12月25日 (日)

不正節電6000万超 人気ラーメン店の巧妙手口(25日)

【衝撃事件の核心】

 電気使用量を量る電気メーターに細工をし、関西電力の電気料金徴収業務を妨害したとして、飲食店経営会社社長ら2人が、偽計業務妨害容疑で大阪府警に逮捕された。飲食店経営会社社長は、人気ラーメンチェーン店「ラーメンむさし」などの実質的経営者で、関電によると、確認されただけで飲食店などでの“不正節電”額は、7年間で6千万円以上にのぼるという。「経費を浮かせたかった」という思いから、手を染めたその巧妙な手口とは…。

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記事本文の続き ■実際の被害は1億円?

 大阪府警泉佐野署によると、逮捕されたのは野中豪(58)=大阪府熊取町若葉=と知人の露天商、橋本三郎(44)=大阪府八尾市上之島町北=の両容疑者。

 野中容疑者が“不正節電”を始めたのは平成16年にさかのぼる。

 「電気代を安くできるで」

 堺市内でリサイクルショップも経営していた野中容疑者は、店の客として知り合った橋本容疑者から、こう持ちかけられたとされる。

 しかし、その方法は、電気メーターの回転板をゆっくり回るように細工し、電気使用量を実際より少なく見せかけるという不正工作だった。この話に乗った野中容疑者は、16年4月26日、大阪府内で経営するラーメン店と焼き肉店、自宅の計3カ所でメーターの工作を依頼した。

 野中容疑者は、当初は半信半疑で依頼したとみられるものの、“不正節電”の効果は大きかったようだ。

 メーターに細工を行う実行役だった橋本容疑者は、「生活が苦しいので小遣い稼ぎにやった」と、1件につき約15万円の報酬を受け取っていた。が、野中容疑者は、数カ月で橋本容疑者に支払った15万円分の電気代を浮かすことができたという。

 「これはほんまに使える」

 味をしめた野中容疑者は、この後も系列のラーメンチェーン店などで次々にメーターに細工をするよう依頼。泉佐野署によると野中容疑者は「メーターを改造してもらったのは30カ所以上」と供述しているとされる。

 逮捕後、関電がこのうち20カ所を調査したところ、被害総額は16年4月からの約7年間で、約6千万円にのぼることが確認された。捜査関係者によると、調査が終わっていない店舗などを含めれば、最終的な被害額は1億円に届く可能性もあるという。http://search.jword.jp/cns.dll?type=lk&fm=127&agent=11&partner=nifty&name=%A5%A4%A5%B6&lang=euc&prop=500&bypass=2&dispconfig=

 

■雑誌などでも人気店

 野中容疑者が実質的に経営する「ラーメンむさし」は、広々とした店舗に大衆向けの価格でラーメンを提供。大阪や和歌山、九州に16店舗を展開する人気店だった。

 「探し求めたその味は、試行錯誤の7年半」

 ホームページや店内には、味への自信をうかがわせる言葉が掲げられており、雑誌やラジオなどに取り上げられたこともある有名店。

 人気メニューのとんこつ味から塩、しょうゆなどさまざまな味が選べることから、ファミリーやカップルで利用しやすいとされ、休日には行列ができることもあった。このため、店の周辺では「むさしに行けば、間違いなく満足できる」と評判だったという。

 しかし、客からの人気の半面、むさしでは、ほとんどの店でメーターの不正が行われていた。

 野中容疑者が経営を握る直営店6店舗と腹心に経営を任せた独立店2店舗は全店でメーターに工作を施していた。また、野中容疑者は、フランチャイズ契約した8店舗のオーナーにも不正工作をやらないかと声をかけていた。

 「やりたくない」

 きっぱりと拒否したフランチャイズ店は数店だけだったという。

 しかも、フィランチャイズ店のオーナーが不正工作話に乗ってきた場合、野中容疑者はオーナーに対し、紹介料として50~30万円を要求していたことも判明している。

 ここから実行役の橋本容疑者に約15万円を渡し、半額以上を中抜きして、自分の手に収めるからくりだった。

 ■匿名の「申告」

 野中容疑者らの逮捕容疑となったのは、今年6月に大阪府泉佐野市の「ラーメンむさし泉佐野店」の電気メーターに不正を施したケースだった。

 「むさしで電気メーター不正がある」

 6月上旬に関西電力に匿名の申告があり、同社が泉佐野署に相談。ちょうど6月28日にオープンする予定だった「むさし泉佐野店」で、不正の有無を確認することになった。

 そうとは知らない野中容疑者は、開店前日の6月27日、橋本容疑者に指示してメーターの回転板を改造させた。

 そして、7月25日の関電の立ち入り調査で、不正があったことが発覚した。開店から不正発覚まで、むさし泉佐野店の電気料金として不正メーターがはじき出していたのは約9万4千円だった。

 ところが、関電が正規料金を計算し直したところ、実際の電気料金は約14万5千円にのぼった。このため、差額の約5万千円をごまかしていたことが明らかになった。

 泉佐野店は午前11時から翌日午前1時半まで長時間の営業を行っており、“不正節電”の効果も大きかったとみられる。

 11月の逮捕当日、泉佐野署に任意同行され、容疑を告げられると、すぐに容疑を認めたという野中容疑者。捜査関係者は「身なりも普通で、お金に困っていたわけでもないだろうに」と話す。

 また、業務を妨害された被害者の関電は「今回のようなケースは許されることではなく、厳正に対処したい」としており、被害額の請求を決定。「不正使用」として、請求額は正規料金の3倍を適用することも検討しているという。

 経費を削減したい-。安易な気持ちで手を染めた不正工作が、大きな代償を招いたことは間違いなさそうだ。

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