【主張】連続通り魔 地域の防犯力を高めたい(7日)
先月中旬、埼玉県三郷市で女子中学生が刺され重傷を負った事件で、16歳の少年が殺人未遂容疑で逮捕された。隣接する千葉県松戸市で起きた小2女児刺傷への関与も認めており、「連続通り魔」の可能性が高い。
少年はナイフとなたを所持し、「歩いている人を殺そうと思っていた」とも話した。犯行がさらに続いていた恐れもある。埼玉県警などは動機を含め、全容解明に全力を挙げてほしい。
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記事本文の続き 少年は三郷市内に両親らと暮らし、通信制高校の2年生だった。動物虐待の問題行動があり、猫の死骸の一部を学校に持参したこともあったという。
少年の行動はなぜ人を殺そうと思うまでエスカレートしたのだろうか。家庭や教師、友人らは犯行の予兆のようなものに気付かなかったのだろうか。
少年による凶悪事件といえば、平成9年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件が思い浮かぶ。当時14歳だった容疑者の少年は、神戸家裁の決定の中で「猫殺しの欲動が人に対する攻撃衝動に発展した」と指摘された。
捜査当局は専門医などの協力を得て、今回の少年の動機や犯行に至る経緯について、生い立ちや家庭環境も含めて徹底的に調べるべきだ。
ショッキングな事件であったものの、地域住民からの通報によって次の犯行を未然に防ぐことができたのは不幸中の幸いだった。警察には、逮捕の数日前から「ナイフを持ってうろついている人がいる」との情報が複数寄せられ、少年の存在が浮上した。
住民の出入りが頻繁で、人々のつながりが希薄な都市部にあっては、隣人すら何をしているのか分からないことの方が多い。犯罪の悲しい犠牲者を出さないためには、「地域の防犯力」を高めてゆくしかない。
そうした趣旨から、地域社会が防犯活動に積極的に参加することによって犯罪の防止に成功しているケースもある。
千葉県市川市では、ひったくりなどが増えたのに危機感を抱き、ボランティアにも協力を求め、計146台の態勢でパトロール車を巡回させている。希望者には携帯メールを使って犯罪の発生情報を提供するなどし、ここ10年間で犯罪件数を半減させた。こうした取り組みにも学びたい。
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