被害者が語る「ソフトヤミ金」の実態(3日)
脅迫的な取り立てをしない「ソフトヤミ金」について、神奈川県内に住む被害者の男性(67)が読売新聞の取材に応じた。
「優しい言葉」で誘う巧妙な手口の実態とは――。
「年の離れた友達のようになっていった」。9月中旬、取材に応じた男性はそう振り返った。
男性は38年間にわたって同じ会社に勤め、退職後は妻と趣味の登山や田舎暮らしを楽しもうと思い描いていた。しかし、妻が2002年に病気で亡くなったのを機に、会社を早期退職。退職金のほぼすべてを株の運用に回して失敗した。金融機関からの融資を受けられなくなった後は、ヤミ金から借金を繰り返し、多重債務者となった。警備のアルバイトをして借金を返済したが、公共料金を支払うのがやっとの生活だった。
融資を誘うはがきが届いたのは07年春頃だ。「少しでも暮らしが楽になれば。少額なら返せると思った」と、はがきに書かれた携帯電話の番号に連絡した。電話に出た男は、今までのヤミ金業者と違い、丁寧な物腰で「あなたはもう、どこからも借りられませんよね。うちが融資しますよ」と誘ってきた。名前や住所などを伝え、指示通りに勤務先から再び電話すると、その日のうちに口座に数万円が入金された。
その後の約4年間、給料前にほぼ毎月、1万~数万円の融資を受け、給料が出るたびに、融資額の約3倍の額で返済し続けた。ただ、携帯電話でやり取りした複数の男たちは決して面会を求めようとはしなかった。その一方、電話では、体調を気遣う言葉もかけられた。ひとり暮らしの男性にとって、次第に「年の離れた若い友達」のように感じていったという。
数十万円の被害を受けたという男性は、「返済に追われる毎日だった。簡単にお金が借りられることに甘えてしまい、情けない」と力無く語った。
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