中小企業への違法高金利「システム金融」 岡山の男ら8人逮捕(29日)
経営難の中小企業を狙い、小切手を担保に違法な高金利で資金を貸し付けたなどとして、大阪府警生活経済課と岡山県警は28日、出資法違反(超高金利)などの容疑で、岡山市南区浜野の貸金業、児玉和夫容疑者(41)ら同市内の男女8人を逮捕した。グループは判明分だけで平成22年4月以降、沖縄を除く全国46都道府県の中小企業経営者約340人に計3億2千万円を貸し付け、1億円以上の利益を得ていたとみられる。
8人の逮捕容疑は23年4月、大阪市内のスポーツ用品販売会社の男性社長(54)に対し、年利換算で675%もの違法な高金利で約40万円を貸し付けたなどとしている。
府警によると、グループは「アリス」や「バジル」など複数の業者名を使い分け、ファクスや電話だけで融資を実施。さらにペーパー会社を使い、担保の小切手の受け取り先として郵送させたり、電話代行サービスや他人名義の口座を使ったりして摘発を逃れていたとみられる。
男性社長はほかにも複数の業者から資金を借り入れており、府警などはグループの背後関係を調べている。
◇ 「小切手さえ切ってくれたら、すぐに融資します」。児玉容疑者らのグループとみられる業者から金を借りた堺市内の運送会社社長の男性(45)に電話があったのは、約3年前。不況で銀行などから融資を受けるのは難しく、3枚計60万円分の小切手を担保に50万円を借りた。
この手口は「システム金融」と呼ばれ、“ヤミ金融の中のヤミ金融”とされる。担保は中小企業の小切手や手形。「不渡りを出したくない」という経営者の心理を巧みに利用し、次々と融資を持ち掛けて小切手などを振り出させ続け、確実に金を回収する。
被害者対策に取り組む「手形・小切手ヤミ金対策全国会議」の名波大樹事務局長は、「経営者は繰り返しの融資で、じわじわと搾り取られる」と、その悪質性を解説する。
実際、男性社長のもとには返済期限の直前になると別名の業者から次々と融資の勧誘電話がかかってきた。1年後には500万円の返済が必要になり、不渡りも覚悟したが、弁護士に相談して小切手を取り返すことに成功した。
男性社長は「軽い気持ちで借りて自転車操業になって頭がマヒしていた。業者が連携しているとは思いもしなかった」。名波事務局長は「借りた事業主が犯罪と認識せず、表面化しにくい。被害者が声を上げることが大切だ」と指摘する。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/crm11092823340056-n1.htm
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