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2011年5月11日 (水)

出玉窃盗止まらず  不正部品設置 大人数で役割分担(11日)

 県警が摘発した中国人らのグループによる出玉窃盗事件の逮捕者が14人になった。関東地方のパチンコ店をターゲットに、毎回10人前後が役割を分担、不正部品を台に取り付け、出玉を盗んだとされる。事業者組合は近年、こうした犯罪グループの存在を把握してきたが、店舗の甘い防犯態勢を突いて暗躍し続けている。(水野祥)

 営業中の店で不正部品を取り付けたとされる中国人の男が立ち会い、蕨署内で実況見分が行われた。男の目前には、事件現場と同じ機種のパチンコ台。捜査員に当時の状況を再現するよう求められた男は、鍵を使うことなく、台の隙間に工具を突っ込んで台のフタを開けると、いとも簡単に不正部品を設置した。要した時間は40秒ほどだった。

県警が不審な中国人をマークし始めたのは1年以上前だ。仕事らしい仕事もせず、西川口地区周辺の居酒屋などに昼間から入り浸っていた。捜査員は手分けして追跡を開始。やがてメンバーの密会場所を押さえ、事件現場がつかめた。

 周到に役割分担が組まれていた。それぞれ他人を装い、時間差をつけて入退店。不正部品の「取り付け役」と、台周辺で取り付け作業を隠す「幕」、不正操作で台から玉を出す「打ち子」役などだ。外には、メンバーを送迎し、店舗周辺を見張る「運転・監視役」がいた。捜査員のカメラが事件の一部始終を収めていた。

 グループは、毎回役割を変えるなどして摘発に神経をとがらせていたが、県警は「打ち子」を始め、他のメンバーについても逮捕した。窃盗より刑の軽い建造物侵入容疑だけでの立件もある中、出玉を盗んだ窃盗の共謀共同正犯としての異例の摘発だった。窃盗罪で起訴された11人中、さいたま地裁で1人に実刑判決が言い渡され、10人に有罪判決が出た。

   ■捜査員指摘で気づく店も

       「年間1億円超の稼ぎ」

 県警は、今回の摘発について「組織窃盗の裏付けが取れた成果。抑止効果につながれば」と期待する。店舗側の防犯態勢の甘さが目立つからだ。グループは年間約300店に足を運び、打ち子1人で20万円以上を稼いだ日があったことも確認された。「年間1億円超の稼ぎがあったと推定できる。事実上の野放し状態」(捜査関係者)。店からの通報は1件もなく、捜査員に指摘されて初めて不正部品に気づく店も多かった。

 全国約1万2000店が加盟する全日本遊技事業協同組合連合会(東京都)によると、以前に横行した不正行為は、大当たりの周期を測る「体感器」を使った単独犯が多かった。しかし台の防犯機能が高まるなどしたことから、不正部品を取り付けるグループが続出。最近は、店から寄せられる不正行為報告の9割前後が複数犯による手口という。

 報告の大半は、台のデータと売り上げの計算が合わず、事件に気づいたケースだ。防犯カメラの映像を見ると、20人ほどが入れ替わりながら連日、不正に及んでいた事例もあったという。台メーカーや店の関係者らが年6回集まり、対策会議を開くものの、同会の担当者は「結局は店任せになってしまう」と打ち明ける。

 パチンコ防犯会社「スタッフ・コーポレーション」によると、不景気で業界全体の売り上げは5年前から3割ほど落ち込む。最近は震災が追い打ちをかけているといい、同社の石井孝志社長は「苦しい経営で削りやすいのは防犯予算」と指摘する。台の異常を知らせる最新機器の導入をためらう店も多い。県内のあるパチンコ店長は「少ない人員での見張りは限界。不審者を見かけても、客なので注意しづらい」とこぼした。

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