警官発砲で栃木県に賠償命令 遺族が逆転勝訴 東京高裁(28日)
栃木県西方町で2006年、職務質問から逃げようとした中国人男性に警察官が発砲して死なせたのは「過剰防衛」だとして、男性の遺族が栃木県に約5千万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁(前田順司裁判長)は27日、請求を棄却した一審・宇都宮地裁判決を変更し、計約1千万円の支払いを県に命じる判決を言い渡した。
判決は「威嚇射撃を試みることなく性急に発砲に及んだのは違法だ」と指摘。発砲は警察官職務執行法に違反すると判断した。
発砲した巡査(当時)は、特別公務員暴行陵虐致死容疑で告訴され、宇都宮地検は不起訴としたが、同地裁が刑事裁判の開始を求める遺族の「付審判請求」を認めた。しかし、宇都宮地裁は今年2月、正当防衛を認めて無罪判決を出していた(検察官役の弁護士が控訴)。
中国籍の羅成さん(当時38)は06年6月23日、巡査から路上で職務質問を受けて逃走。民家の庭にあった竹の棒や、石灯籠(どうろう)の上部にある宝珠(重さ約3キロ)を持って抵抗した。巡査は拳銃を1発撃ち、腹に命中して羅さんは死亡した。当時、羅さんは研修ビザの期限が切れていたという。
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