野球賭博の捜査終結 「真の胴元」立件できず(4日)
元琴光喜ら27人を書類送検したことで、野球賭博に関する警視庁の捜査は終結した。これまでの捜査で胴元側計5人、客の力士ら計35人を立件。客については公平性を期すため、賭博への関与を認めた力士ほぼ全員を立件した。ただ、胴元側については暴力団の影を捉えながらも全容解明には至らず、現行犯逮捕でないと立件が難しい賭博捜査の壁は崩せなかった。
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記事本文の続き 組織犯罪対策3課は昨年3月に疑惑を把握。同7月に相撲部屋を一斉捜索し、メールの復元と力士の事情聴取で浮かび上がったのが(1)元力士の山本俊作被告と薮下哲也被告(2)元力士の古市貞秀被告と母の米子被告(3)横綱、白鵬の元トレーナーをそれぞれ胴元とする賭博の3ルートだった。各ルートで力士ら約10人が賭博に参加していた。
同課は賭博に関連する3つの恐喝事件を摘発した上で今年1月、(1)と(2)の2ルートの胴元4人と顧客の力士ら9人を先行して立件。一方、(3)の元トレーナールートと元琴光喜ら約30人の力士については、携帯電話メール復元の障害となる機種変更やメモリーの損傷から明確な物証は少なかった。
同課は「賭博関与を申告した力士の中で、処分に差が出るのは不公平」として力士らの再聴取を実施。乏しい物証を補強する形で公訴時効(3年)にかかる4人を除く客全員の立件へとたどり着いた。
しかし、胴元側の実態解明は困難を極めた。山本被告は「山口組弘道会系組長(死亡)に誘われて野球賭博を始めた」と供述。山本被告と組長側で数千万円の金銭授受やハンデのやり取りも確認された。古市被告のルートは、山本被告から派生していたことも判明した。
このため、同課は角界の賭博汚染は山本被告を軸に拡散したとみて「大胴元」にあたる組長側の立件を視野に捜査。しかし組長は一昨年に死亡、関係先の家宅捜索でも金銭授受が賭博によるものだったことを裏付けられなかった。
元トレーナールートでは、弘道会とは別の山口組傘下団体の関与が疑われたが、結局、詳しいことは不明のまま終わった。
八百長疑惑や「相撲賭博」疑惑という副産物も生んだ一連の野球賭博事件。警視庁幹部は「『真の胴元』へは届かなかったが、追跡捜査でここまで解明できたことは一定の成果」としている。
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