元幕下力士、胴元に誘った組長と数千万円やりとり(27日)
大相撲の野球賭博事件で、胴元役だったとされる元幕下力士・山本俊作容疑者(35)=賭博開帳図利幇助(ほうじょ)容疑で逮捕=と、山口組弘道会系暴力団組長(死亡)が2007年から約2年間、互いに現金数千万円を渡したり、受け取ったりしていたことが関係者への取材でわかった。警視庁は、やりとりされた金は野球賭博にからむとみて資金の流れを調べている。
捜査関係者によると、山本容疑者が野球賭博に関与し始めたのは現役力士だった05年3月ごろ。もともと親族を通じて知り合いだった組長に紹介されたのがきっかけだった。その際の胴元の暴力団は主に野球賭博とみかじめ料を資金源にしていたという。
山本容疑者は06年5月場所を最後に引退。その前後、組長は「自分で客を集めて胴元になれば小遣い稼ぎになる。勝った客からは金をとれる。その金はのんじゃってもいい(自分のものにしていい)」と勧誘したという。山本容疑者は、所属していた阿武(おうの)松(まつ)部屋の力士や床山らに声をかけ、賭け金を集めたり、勝ち金を分配したりする胴元を始めた。試合ごとのハンディは暴力団側から教えてもらったという。
警視庁が調べたところ、07年から約2年間、山本容疑者と組長側の口座で数千万円ずつの出し入れがあったことが確認された。組長は09年8月に死亡し、その約1カ月後には山本容疑者は賭博をやめ、同年11月には暴力団事務所も閉鎖され、資金の流れは止まったという。
こうした多額の現金は、山本容疑者が暴力団側を相手にした賭け金や勝ち金となったり、上納金や胴元としての活動資金となったりした可能性もある。
組織犯罪対策3課によると、ほかに賭博開帳図利容疑で逮捕されたのは、元幕下力士薮下哲也(29)=石川県能登町=、元十両力士古市貞秀(34)=千葉市花見川区=、母の古市米子(63)=大阪府交野市=の3容疑者。いずれも容疑を認めているという。
同課によると、薮下容疑者の逮捕容疑は、09年4月17日~5月25日に行われたプロ野球公式戦41試合を対象に、賭博で利益を得る目的で、現役力士や後援会関係者ら計6人から賭け金計108万円を集めたもの。山本容疑者は、試合ごとにハンディを携帯電話のメールで薮下容疑者に伝えるなどし、賭博開帳を助けた疑いがある。
また、貞秀容疑者と米子容疑者は10年5月15日のプロ野球交流戦6試合を対象に、十両力士や韓国人ら3人から賭け金計23万円を集めた疑いがある。
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