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2011年1月18日 (火)

プライバシー保護のはずが犯罪に…匿名化ソフト(18日)

 もともとは情報発信者のプライバシー保護のために開発された匿名化ソフト。これが犯罪に悪用されるケースがクローズアップされている。ソフトは、誰もが無料でダウンロードできる。警視庁公安部外事3課が作成したとされる国際テロ捜査資料の流出事件でも使われた疑いが強い。ただ規制強化は、情報統制にもつながりかねない。捜査現場では「匿名前提の捜査がもはや常識」(捜査関係者)となっている。(西尾美穂子)

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記事本文の続き ■米海軍が発祥

 代表的な匿名化ソフトが「Tor(The onion router)」だ。インターネットへの接続環境があれば誰もがダウンロードできる。タマネギをむくように暗号を解いていかなければならないことから名付けられた。

 TorはIPアドレスを特定されずに匿名性を保てるため、クラッカー(悪質な侵入者)対策やウイルス感染予防で米海軍が開発。その後、ユーザーが改良を重ねて広まった。現在ではハイテク犯罪の捜査当局も匿名化ソフトを利用しているという。

 このソフトを使えば、世界中のTorサーバーの中から無作為に抽出したサーバーを経由。そのたびにIPアドレスを暗号化し、ウェブサイトなどに情報を伝達する。経由サーバーは数カ所と少ないが、通過記録は通過直後に削除されるのも特徴だ。

 Torサーバーからウェブサーバーに伝わる最終段階のみIPアドレスが暗号化されないが、それ以前は暗号化されるため、最終サーバー以前を追跡してたどることは極めて困難だ。

 国際テロ資料流出事件でも最後にルクセンブルクのレンタルサーバーを経由した可能性が高いことは判明しているが、それ以前は解明されていない。

 「匿名化ソフトを使われると、経由パターンは天文学的数字になる。追跡は不可能に近い」と捜査関係者は頭を抱える。

 ■一律規制は不可能

 ただこのソフトは情報統制が厳しい国の検閲を避けてネット上で情報のやりとりをする際に使われることもある。情報化社会の貴重なツールでもあるのだ。

 慶応大学総合政策学部(情報法)の新保史生准教授は匿名化の意味について、表現の自由を引き合いに「自由な民主主義の実現のために、匿名での情報発信も認められてしかるべきだ」と話す。

 産業技術総合研究所情報セキュリティー研究センター主任研究員の高木浩光氏は「現実社会でも自ら名前を公表して犯行に及ぶ人はほとんどいない。ネットは相手が見えないゆえ不安が募り、悪質性がことさら強調されているのかもしれない」と指摘。ネット社会と現実社会との違いを過度に受け止めすぎているとし、匿名化ソフトの規制による効果には懐疑的だ。

 新保准教授は「犯罪者が野放しになるような状態は許されてはならず、何らかの対策が必要」としながらも、「匿名化ソフトを一律で規制することは不可能だ」と説明する。

 捜査関係者は匿名化ソフトを使われた場合の捜査について、「匿名化されているのはもはや常識。ログをたどること以外にも、動機面や接続時間のアリバイなど外形的な事実を積み上げる捜査が必要」と、通常の事件と同様、“外堀”を埋める作業の必要性を説いた。ネット捜査が複雑かつ難解な様子が浮かぶ。

 IPアドレス インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューターに個別に割り振られた識別番号で、住所のようなもの。0から255までの数字を4つ並べて表現する形式が広く普及。重複しないように各国で非営利機関が割り振りなどの管理をしている。

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