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2010年12月11日 (土)

【死刑求刑で無罪判決】状況証拠次々と否定、最終結論は「疑わしきは被告人の利益」 (11日)

強盗殺人罪に問われ、死刑を求刑された白浜政広さん(71)に鹿児島地裁は無罪判決を下した。否認事件なうえに目撃情報もなく、検察側が積み上げた状況証拠を裁判員がどう認定するかが焦点となった。判決は検察側の立証一つ一つを検証し、次々と否定。最後は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に厳密に従って無罪を導いた。(森浩)

■指紋のない凶器

 検察側は死刑求刑の根拠として、侵入口となった網戸に白浜さんのDNAが付着し、整理ダンスにも指紋があることを指摘。「不審な第三者の痕跡がなく、被告に(経済的に困窮していたという)動機があることなどを総合すれば犯人と認めることができる」とし極刑を求めた。

 だが地裁は判決で、こうした検察側のストーリーを細かく否定していった。

 指紋やDNAは家に立ち入ったことを示すにとどまるとし、「犯人であると認定するには遠く及ばない」と指摘。むしろ凶器のスコップに白浜さんの指紋がなかったことを重く見た。

 さらに、採取されたDNA試料886点のうち白浜さんと一致したのは1点、指紋446点のうち白浜さんと特定できたのは11点だったことに触れ、「大部分が誰のものか不明。第三者の痕跡がなかったとするのは不適切」とした。経済的な困窮も重大事件を犯すまでではないとした。

■困難な「疑わしきは…」認定

 判決は結びで、この程度の状況証拠で白浜さんを犯人視することは「疑わしきは被告人の利益にという原則に照らして許されない」と厳しく断じた。

 状況証拠による事実認定はプロの裁判官でも困難な作業とされる。

 状況証拠の積み上げで有罪認定された重要事件では和歌山市で平成10年7月、4人が死亡した毒物カレー事件などがある。最高裁は4月、大阪市の母子殺害放火事件で状況証拠だけでの立証について「被告が犯人でなければ説明できないか、少なくとも説明が極めて困難な事実関係が認定できることが必要」との判断を提示した。

 今回、裁判員らはこれに照らしてDNAや指紋といった証拠を精査しても、白浜さんを犯人とは特定できないとの結論に達したとみられる。

 

■認定された「嘘」

 一方、判決では白浜さんが「現場に行ったことはない」と証言したことは「うそ」と断定したほか、携帯電話のデータをすべて消去するなどの不自然な点があることも認定した。ただ、裁判員はそれらの疑問点よりも、積み上げられた状況証拠の弱さをより重く見たといえる。

 裁判員裁判で初めて死刑求刑事件が無罪となり、「捜査は信用できない」とされたことで、捜査当局も大きな課題が突きつけられたことになる。検察関係者は「状況証拠しかない事件はたくさんある。物証が薄いからといって捜査をやらないわけにはいかない。今後の捜査は大変になっていくだろう」と話している。

Msn_s1 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/101211/trl1012110243000-n2.htm

 

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