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2010年12月13日 (月)

覚醒剤密輸、狙われる地方空港 国際線増加・職員少なめ(13日)

 覚醒剤密輸ルートが地方の空港に及んでいる。昨年から今年にかけ、五つの空港で初の摘発が相次いだ。捜査関係者らは密輸組織が警備が厳重な国際空港を避け、国際線の乗り入れが増えた地方の空港に目をつけたとみて、警戒を強めている。

 4月24日午前、富山空港の税関検査場で、税関職員はある男性乗客の不審な行動にピンと来た。持っているのは小さな荷物だけ。他にないのかと確認すると、ターンテーブルに別の荷物を取りに戻った。職員にパスポートを渡すと、受け取らずに立ち去ろうとした。一刻も早く検査を終えたいように見えた。

 職員が別室へ案内すると、男性は「何も持っていない」とアピールするようにズボンを脱いだ。職員が「上着も」と促すと、二つの白いポリ袋が粘着テープで腹に巻き付けられていた。中身は約490グラムの覚醒剤だった。

 台湾からのツアー客を乗せたチャーター便で到着した無職の台湾人の男(66)。大阪税関伏木税関支署は身柄を拘束し、富山県警が一緒にいた女性とともに覚醒剤取締法違反(営利目的密輸)容疑で逮捕した。富山空港での初の覚醒剤密輸事件摘発となった。

 大阪税関によると、男は「団体の中でカップルを装っていれば大丈夫と組織に言われた」と供述したという。男の弁護側は「単なる運び屋で密輸組織の末端に過ぎない」と主張したが、判決は「2度来日して下見するなど、密輸を成功させるため積極的に行動している」と指摘。女性は不起訴処分となったが、男は懲役7年罰金300万円の判決を受け、確定した。

 富山空港には中国や韓国と結ぶ国際線が週20回程度発着している。同税関支署から職員数人が常駐している。

 財務省関税局によると、成田、中部、関西、福岡の4空港をのぞき、国際線が乗り入れている空港での覚醒剤密輸事件は、統計を取り始めた1991年以降、2000年に那覇空港で初摘発された。04、05、07、08年に新千歳空港などで1件ずつだったが、09年は計5件に。このうち小松(石川県)、福島の2空港では初の摘発だった。

 今年は岡山空港で7月、末端価格約2億7千万円相当の約2.9キロの覚醒剤を密輸したとして、米国人の男(32)が逮捕された。起訴状によると、男はガーナの空港から覚醒剤を隠したスーツケースを持ち込み、アラブ首長国連邦のドバイ、韓国・仁川空港経由で入国したとされる。

 

9月には広島空港で約2.2キロの覚醒剤を密輸したとしてドイツ人の男(48)が逮捕された。この2件と富山を合わせ、今年は地方の空港で計5件が摘発されている。

 大阪税関調査部によると、地方の空港で昨年から今年に摘発されたのは計10件。いずれも旅行客を装う手口で、うち4件はツアー客に紛れ込んでいたという。

    ◇

 地方で摘発が増えた背景には、地方に乗り入れる国際線の増加がある。国土交通省国際航空課によると、地方にある全国24空港の国際線の定期便の「冬ダイヤ」(10月下旬~3月下旬)の発着回数は2005年度の週684回から、10年度は週952回へと4割近く増える予定だ。

 数字を押し上げているのは仁川空港や中国・北京空港などアジアの拠点空港からの増便。特に07年以降、韓国など10の国・地域と日本との間で結ばれた「オープンスカイ協定」により、航空会社が路線の新設や増便を自由に決められるようになった。

 一方、税関の職員数には差がある。例年摘発件数が全国最多の成田空港では、500人以上の税関職員が常駐。しかし地方の場合、常駐は4~5人という空港もある。

 税関関係者は「取り締まりの厳しい大空港を避けて、摘発件数と税関職員が少ない地方を手薄と考えたのではないか」と分析する。とはいえ、地方は便数が少ないため、時間をかけて検査できるともいえる。「ベテランを配置して取り締まることもある」

 覚醒剤密輸の摘発件数全体も増えている。財務省関税局によると、空路と海路を合わせた摘発は05年は33件(押収量約88キロ)だったが、09年は過去最多の164件(同約330キロ)と約5倍に。このうち約7割が空路だった。同局は「大量の覚醒剤を船などで密輸するのはリスクがあり、旅行客を装った『運び屋』を使って空路で密輸するケースが増えているのではないか」とみて、警戒を強めている。(滝沢卓)

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