検事総長が引責辞職「痛恨の極み」 証拠改ざん事件(28日)
大阪地検特捜部が手がけた郵便不正事件で無罪判決が確定した村木厚子・厚生労働省元局長が27日、元主任検事・前田恒彦被告(43)=証拠隠滅罪で起訴=ら元担当検事3人と国を相手取り、慰謝料など約3670万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
村木氏の弁護団は記者会見で、最高検が24日に発表した検証結果について「多数の検事によって、事実と異なるストーリーに沿った供述調書が大量に作成された過程が検証されていない」とする村木氏のコメントを発表。検証の中で村木氏への事情聴取がなかった点も批判した。
訴状では、「誘導によって供述調書を作り上げ、証拠との矛盾をあえて無視して村木氏を逮捕、起訴した」と主張。起訴されて厚労省を休職中に受け取れなかった給与や慰謝料などを求めた。
一方、大阪地検特捜部による一連の不祥事の責任を取り、大林宏検事総長(63)が27日、任期半ばで辞職した。記者会見で大林氏は「痛恨の極み」と事件を振り返り、検証結果をまとめたことで「検察組織としてけじめをつけ、新体制で改革を進めるのが適切と判断した」と辞職の理由を説明。「国民の信頼をどれほど損ねたか。私が退任することで検察職員は重大な事態に至っていることを理解してもらいたい」と訴えた。
不祥事を総括して「証拠改ざんとその隠蔽(いんぺい)は、構造的な問題ではない」としつつ、決裁のあり方や調書の取り方、捜査の仕方は検察全体の問題との認識を示した。改革の実効性については「現場では改革案が示されても、自分はちゃんとやっているので必要ない、という意識がある」と危機感も明かした。
後任の検事総長には、東京高検検事長だった笠間治雄氏(62)が同日、就任した。
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