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2010年9月18日 (土)

シティバンクも手玉…ナイジェリア詐欺集団の狡猾手口と「死の掟」(18日)

【衝撃事件の核心】

 ナイジェリア人の犯罪グループが関与しているとみられる国際詐欺犯罪が急増している。日本貿易振興機構(ジェトロ)に寄せられた国際詐欺に関する昨年の相談件数は5年前の7倍以上となる378件。うち半数ほどがナイジェリア人が多用する特有の手口のものだ。9月初めには、米国内のナイジェリア人グループが詐欺事件で得た犯罪収益のマネーロンダリング資金洗浄)に協力したとして、日本国内のナイジェリア人らが逮捕された。グループの間では犯罪発覚を防ぐための「死の掟」が存在すると指摘されており、実態解明は難航している。(福田涼太郎)

 ■すでに“きれいな金”に…犯罪グループへ還流か

 「Stop camera!」(カメラを撮るな)

 テレビニュースにナイジェリア人の男がそう叫びながら警視庁の捜査員に連行される様子が映し出された。悪びれた様子はなく、むしろ挑戦的な態度にすら見える。

 男らは平成20年10月、米国のナイジェリア人グループから送金された犯罪収益を「貿易で得た金」などと偽って、それぞれが経営する会社の口座に入金させたとして、組織犯罪処罰法違反容疑で9月1日に警視庁に逮捕された。

 容疑者はナイジェリア人3人、日本人2人、ガーナ人1人の男女6人だ。

 逮捕されたナイジェリア人3人は留学や短期滞在などの資格で日本に入国。その後、うち2人は永住資格を取得し、日本国内で自動車部品販売業や出版業を営んでいた。永住資格は「身分の保証」となり、信用を高める。つまり、疑われにくいということだ。

 一方、逮捕された日本人は男女2人。女は一緒に逮捕されたガーナ人の妻で、夫婦そろって犯行に関与していた。

 「2年前に大阪で知り合った別のナイジェリア人から(今回逮捕されたナイジェリア人の1人を)紹介された」

 日本人の男はこう供述。いずれもナイジェリア人から資金洗浄への協力を持ち掛けられたとみられる。

 捜査関係者は「今回のナイジェリア人たちが犯罪目的で入国したかどうかは分からない」とする一方で、「罪を犯したとしてもいったん認められた永住資格を取り消すことは難しいし、再犯に及ぶ可能性だってある」と漏らす。

 逮捕容疑では、6人の5口座に入金されたのは計約5億7千万円だった。しかし、米国からの送金額は総額約9億7千万円、口座数は8口座に上っていることが確認されており、差額の4億円を含めたほとんどの金が引き下ろされ、“きれいな金”としてグループに還流されたとみられる。

 「300万~700万円の手数料をもらって口座を貸した」

 逮捕された6人のうち2人は、グループの関与をにおわせる供述をしており、警視庁は金の流れや国内の共犯の有無などを調べている。

 ■本名はタブー…今も残る「死の掟」

 事件発覚のきっかけは20年10月に米国内で起きた詐欺事件に関連し、米連邦捜査局(FBI)から警察庁に捜査依頼がきたことだ。

 事件の概要は、米国のナイジェリア人詐欺グループが米大手銀行「シティバンク」に、偽造した送金指示書を使ってエチオピア中央銀行名義の口座から米国を含め日本、中国韓国オーストラリア、キプロスの6カ国の犯行グループが管理する口座に計約28億円を送金させたというものだ。

 偽造指示書には、正規の送金指示者の署名が記載されており、実際の送金手続きと酷似したやり取りで指示がなされたという。

 もちろん署名は偽物だったが、手続きは“お得意様”の顧客ならではの簡略化された方法をあえて再現。グループ側もそうした手法の研究を重ねていたとみられ、シティバンク側が信頼してしまったとみられる。

 送金先の6カ国のうち、米国オーストラリアキプロスでは不審に思った銀行側が入金を認めず未遂に終わったが、日本、中国、韓国の一部銀行では「機械を売った代金」など協力者の説明を信じて入金を許していた。

 「問い詰めればすぐに不審な金かどうかは分かる。しっかりと確認審査をするべきだ」

 銀行関係者は入金を許可した銀行側の対応を厳しく非難する。

 「FBIとタッグを組めたことが早期の摘発につながった」(警察幹部)

 警視庁は、今年5月に捜査員を渡米させ、FBIとの情報交換を重ねるなどして、ようやく日本国内での協力者摘発にこぎ着けた。

 送金の舞台は日本だけではない。韓国でも口座を貸したナイジェリア人らが摘発された。これはナイジェリア人の犯罪ネットワークが世界中に張り巡らされていることを意味するが、その実態は明らかになっていない。

 世界各地に分布するナイジェリア詐欺団だが、なぜ解明が進まないのか。捜査関係者が「鉄の結束」の一端を例を挙げて解説する。

 「今回の事件を含め、犯罪にかかわるナイジェリア人は互いにニックネームで呼び合っている。不用意に相手の本名を出そうものなら、家族もろとも殺害されるケースもある。そうした厳しい“規律”が捜査を難しくしている」

 ■世界に80組織以上…民族意識を原動力に

 FBIの報告によると、世界中で確認されているナイジェリア人の犯罪グループ数は80を超えている。

 「ナイジェリアは貧富の差が激しい。稼ぎ先を外国に求める人が多く、犯罪に手を染める人もいる」

 ナイジェリアに駐在経験があるジェトロの高島大浩広報課長は背景をこう説明する。

 世界共通語といわれる英語を公用語としているため、世界各国で活動しやすいことも後押ししているようだ。

 ナイジェリア人グループ特有の詐欺手口は、詐欺罪がナイジェリアの刑法で419条にあたることから、関係機関の間では通称「419詐欺」とも呼ばれている。

 この詐欺の特徴は、海外の政府関係者や軍の高官などを名乗る人物が、秘密資金を送金するために謝礼付きで口座を貸すようメールで依頼することから始まる。これに応じると、送金手数料名目などで言葉巧みに現金をだまし取るというものだ。

 当初、ナイジェリア本国を主な拠点としていたが、同国政府による犯罪取り締まり強化やIT環境の発達により他国にも拡散。近年は貿易取引を装って金品を詐取するなど、手口が進化しながら被害が拡大しているという。

 高島広報課長は「国際詐欺のすべてがナイジェリア人の犯行とはいえない」と前置きした上で、「今回の事件は氷山の一角。見知らぬメールに応じないことや関係機関による注意喚起の徹底など、水際で食い止めるしか手だてはない」と訴える。

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