自衛官:後絶たぬ自殺 一般職国家公務員の1.5倍(15日)
防衛省・自衛隊の自殺者が毎年、100人近くに上り、高止まり傾向に歯止めがかからない。04~06年度は3年連続で100人に達し、07年度以降は80人台で推移しているものの、08年度の自殺者83人を10万人あたりで換算すると33人となり、一般職国家公務員10万人あたりの自殺者22人に比べ1.5倍の高率となっている。背景には、厳しい規律や生活環境、拡大する海外派遣による負担増なども指摘されるが、効果的な対策は見いだせないのが現状で、同省は頭を悩ませている。【樋岡徹也】
防衛省によると、自衛官・事務官らの自殺者は94~97年度は40~60人台だったが徐々に増加し、04年度に100人、05年度と06年度も101人に達した。09年度も86人に上り、内訳は▽陸上自衛官53人▽海上自衛官15人▽航空自衛官12人▽事務官ら6人。推定される原因は、職務18人▽精神疾患、借金各16人--などとなっている。
自衛官らの自殺の多い背景として、ある幹部自衛官は「駐屯地などに住み込み、規律も厳しい。海外派遣など新たな任務もストレスになっている」と分析する。命令に対する服従が根幹の自衛隊組織では、上官の指導という名の「いじめ」が見受けられるケースもあるといい、海自佐世保基地(長崎県)の護衛艦「さわぎり」で99年、男性3曹(当時21歳)が艦内で首つり自殺した問題では、上官の言動が原因として国に350万円の賠償を命じる判決が確定した。
警察庁の09年統計によると、自殺者数は3万2845人で12年連続で3万人を超えた。国は10~16日の1週間を「自殺予防週間」として各種啓発活動を行っており、防衛省も、隊内では話しにくい悩みに対応するため民間カウンセラーを招いたり、24時間対応の電話相談窓口を開設するなどしているが、「理由は複合的なため、日常的に隊員の心情把握を徹底するしかない」(同省幹部)のが現状だ。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100915k0000e040049000c.html
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