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2010年8月13日 (金)

大事故「捜査優先」見直し 国交相方針、原因究明重視へ(13日)

航空や鉄道の重大事故が起きた時、当事者の刑事責任を問う警察の捜査が、事故原因の究明を目指す国(運輸安全委員会)の調査より優先されがちな現状について、前原誠司国土交通相は12日、仕組みを見直す考えを示した。原因究明を重視する観点から、事故調査が優先されるようにできないか検討する。

 米国や欧州の一部では国の事故調査機関の権限が強く、警察の捜査からは完全に独立している。当事者に刑罰を科さない代わりに、原因調査に協力させる制度もある。誰かを罰するよりも、真の原因を突き止めることが、再発防止に役立つとの考えからだ。

 しかし日本では、たとえば2001年の日航機同士のニアミス事故で、空港到着直後の機内で警察が操縦士から事情聴取するなど、捜査が優先されるケースが目立つ。また、捜査からの調査の独立性があいまいで、1997年に三重県上空で日航機が乱気流に巻き込まれた事故では、事故調査報告書が機長の刑事裁判で証拠として使われた。

 こうした状況では、「事故の当事者は刑事処分を恐れて国の調査に真実を話すことをためらうようになり、原因究明の妨げになる」と航空関係者らが指摘してきた。

 前原国交相は同日夕、日航機墜落事故の追悼慰霊式で、「事故の原因をすべての段階で明らかにしていく事故調査の実現」を図ると言及。その後の取材に「事故調査が優先されるような具体的な話し合いを運輸安全委と警察庁で行っていきたい」と話した。

 捜査と調査の関係については、72年に警察庁と旧運輸省とが、互いに協力することを定めた覚書が根拠となっているが、この是非についても「今後の研究テーマと考えている」と見直す可能性を示唆した。欧米のような免責制度を導入するかについては「予断を持たずに議論していく」と述べるにとどめた。

 日航機事故の遺族らでつくる「8・12連絡会」の美谷島邦子事務局長は「調査と捜査をきちんと分けると国交相が話したことは大きな進歩だ」と評価した。作家の柳田邦男さんも「事故防止と安全対策のために、真実を話しやすいよう、刑事処分は免責されるようにすべきだ」と話した。

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