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2010年8月18日 (水)

ウナギ偽装表示:容疑のヨーカ堂元社員ら6人逮捕(18日)

大手スーパー「イトーヨーカ堂」が輸入して売れ残った中国産ウナギを元社員らが別業者が輸入したように装って転売したとされる事件で、神奈川県警は18日、業務に携わっていた同社の元食品事業部海外担当マネジャー、石原荘太郎容疑者(58)ら6人を食品衛生法違反(偽装表示)容疑で逮捕した。転売先では輸入元のほか、賞味期限まで偽装されており、食の安全を脅かす消費者無視の業界体質がまた問われる事態になった。【高橋直純、吉住遊、山田麻未】

 県警生活経済課などによると、他に逮捕されたのは▽石原容疑者の当時の部下でヨーカ堂社員、大嶋由紀(34)▽食品商社「日洋」(東京都新宿区)元社員、津田裕史(56)▽同社社員、佐藤宇永(42)▽海産物輸入販売業「高山シーフード」(東京都三鷹市)社長、高山智広(54)▽同社元社員、小池信行(47)--の5容疑者。

 逮捕容疑は、ヨーカ堂が輸入した中国産ウナギ約15トンを、食品衛生法で明記が義務づけられている「輸入者」欄を「高山シーフード」と偽装した箱に詰め替え、09年6~10月、魚介類販売業「ヤマト・フーズ」(横浜市金沢区)などに計約634万円で売ったとしている。

 県警によると、ウナギはヨーカ堂が03~05年に中国から輸入した約1000トンの一部とされ、抗菌剤の検出などで中国産ウナギへの不信が高まり大量に売れ残っていた。少なくとも78トンが日洋を通じて転売され、同様に偽装されたとみられる。

 ヨーカ堂を展開するセブン&アイ・ホールディングスは「弊社に違法性はないと信じているが、捜査の行方を慎重に見守りたい」とコメントしている。

 ◇大手の取り扱い「保証」に

 ヨーカ堂が売れ残りウナギを転売した背景には、05~06年、中国産ウナギから食品衛生法で使用が禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出され、国内の消費が落ち込んでいたことがある。当時、同社は中国産ウナギの販売を自粛しているが、その過程で大量の売れ残りが発生した。

 横浜市保健所の昨年の検査では、ヨーカ堂の転売先の業者が売ったウナギから微量のマラカイトグリーンが検出されている。

 ヨーカ堂を展開するセブン&アイ・ホールディングスの担当者は「独自検査で問題ないため転売した」と説明している。ただ、大手でいったん扱われ、売れ残った食材が再流通すること自体、異常だと指摘する声もある。

 食品流通に詳しい宮城大の大泉一貫教授(食品流通事業論)は「大手スーパーが売れ残りを転売するのは聞いたことがない」としたうえで「転売が事実なら(トラブルになった時のため)名前を隠そうとしてもおかしくない」と指摘する。

 業界関係者によると、見た目で品質などの判断が難しい生鮮食品は、大手の取り扱いが業者内で「保証」となり、転売されやすいという。今回のケースは、転売が繰り返された末に賞味期限も偽装され、さらなる不正の温床となった。

 食品衛生法が輸入者の明記を求めているのも、生産・加工・流通の履歴を事後的に検証するためだ。食への安全意識が高まる中、こうしたトレーサビリティーの体制を根本から否定するような偽装を招いた責任は重い。【高橋直純】

Logo_mainichi_s1_2 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100818k0000e040032000c.html

 

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