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2010年6月27日 (日)

【書評】『日本警察が潰(つぶ)れた日』小野義雄著

■内部えぐり苦悩を描く

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 東京・霞が関。桜田門から桜田通り沿いに、警視庁、警察庁、外務省、財務省と続く。いまでは庁舎の併合や立て替えですっかり姿を替えているが、かつての建物を上から見ると、「A」「B」「C」「D」の巨大なアルファベットが並んでいた。戦後、米国側が有事に備え、空からの攻撃目標にしやすいように指示してそんな形に作らせたという。

 平成11年から12年にかけ、その「B」はかつてない激震に見舞われた。空爆に耐えられるよう天井を密(ひそ)かに数メートルにも厚くした堅牢(けんろう)な建物は、根底から崩れ落ちようとしていた。警察史に汚点として残る警察不祥事が、次から次へと明らかになったのである。

 新潟・柏崎の女児監禁、埼玉・桶川のストーカー殺人、神奈川県の連続不祥事。10年たっても記憶に残る事件を、本書は警察庁の内部からえぐり、警察官僚の苦悩を描き出している。

 平成12年1月、柏崎市で9年余りにわたって監禁されていた少女が保護された事件を取材したことがある。現場はすぐ近くに交番があり、柏崎署もさほどの距離ではない。逮捕された男は社会から断絶し、仕事もせず、母親の年金をあてに暮らしていた。母親も警察も、この異常な状況に気づかず、少女の大切な青春が奪われてしまったことに、衝撃を受けた。

 事件発覚時、関東管区警察局長と雪見酒を楽しんでいたことが明らかになった本部長を、自宅で直撃すると、質問には一切答えず、「今日の夜は何を食べようか、魚かな?」と、秘書と軽口をたたいていたことを思いだす。事件は本部長辞任のみならず、前代未聞となる警察庁長官の懲戒処分にまで発展する。

 警察とは何か。本書は綿密な取材を元に事実を積み上げ、改めて、その意味を問いかけてくる。

 余談ではあるが、記者人生の大半を警察取材に費やした著者は、駆け出しはカメラマンである。弊紙が昭和50年にスクープした連続企業爆破事件で、取材スタッフとして新聞協会賞を受賞したことを付記しておきたい。(産経新聞出版・1680円)

 評・菊池昭光(文化部次長)http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100627/bks1006270824002-n2.htm 

 

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