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2010年4月11日 (日)

「中国は被害者論」崩れ当局に不信…毒ギョーザ(11日)

中国製冷凍ギョーザ中毒事件は、中国当局が3月、国内での犯罪だったことを自ら認める異例の展開となった。

 「日本が悪者で中国は被害者」という中国世論の基本構図が突如崩れ、市民の間では当局への疑念も生じ始めている。

 「毒ギョーザ事件は日本が悪いのではなかったのか」

 北京南西300キロの河北省・石家荘市。ギョーザを製造した天洋食品の近所で商店を経営する男性は、元臨時従業員が逮捕されたことを聞いて憤った。

 男性は、「殺虫剤混入が中国で発生した可能性は極めて小さい」という中国警察の発表を信じてきた。「説明はウソだったのか」と今は怒りの矛先を当局に向けている。

 「日本悪玉―中国被害者論」は、歴史問題を強調する中国では、ほとんど自明の理、あるいは物事の前提のように語られる。ギョーザ事件が発覚した2008年当時、中国では、責任の押しつけを伴う激しい対日批判が噴出した。日本の世論も反発、「ギョーザ」は、食の安全という範囲を超え、感情がぶつかりあう日中対決の象徴になった。

 それが、一転して、「中国人の犯行」である。「ずっと日本が悪いと思っていたのに」(飲食店従業員)という驚きに当局不信が交じる。日本の主張に「負けた」ことについて、ある女性は「日本に落ち度はなくても、無用な騒動を広げ、有力企業の天洋食品をつぶした」と話した。

 一方、日中バトルの“主戦場”となったネットでは、「日本人の真剣に調査する本能と専門的な手法は世界でも有名だ」と日本の警察への称賛も出ている。一方で中国の警察は、「証拠を示して反論することもできない」と批判され、面目丸つぶれだ。「食の安全では日本が上だ。日本に学べ」との評価さえ出ている。

 中国紙のある記者は「中国当局は、最初に『日本が悪い』と言って政治問題化してしまった。中国人に特有の面目を保つ方法だったが、非科学的で話にならなかった」と批判している。

 もっとも、事件発覚から2年以上が過ぎ、中国では全体的に「毒ギョーザ」に対する関心は高くはなく、政府批判の声も大きなうねりにはなっていない。世論の反発を恐れる中国当局が事件の風化を待っていた可能性も十分ある。(河北省石家荘で 関泰晴)

 

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