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2010年4月 7日 (水)

農薬使ったのか、ぬぐえぬ疑問 毒ブドウ酒事件差し戻し(7日)

名張毒ブドウ酒事件で最高裁が再審すべきかどうかの判断を差し戻したのは、奥西死刑囚が「使った」と自白したとされる農薬が本当に使われたのか、疑問がぬぐえなかったからだ。

 ■鑑定の内容は

 1961年の捜査側鑑定では、農薬「ニッカリンT」を混ぜて事件のブドウ酒を再現したもの〈1〉と、実際に犯行現場に残されたブドウ酒〈2〉を分析。三つの成分(A、B、C)を比較したところ、〈1〉ではすべて検出されたのに、〈2〉ではBだけが検出されなかった。このBがニッカリンTに必ず含まれる「トリエチルピロホスフェート」と判明。鑑定機関は水分との反応(加水分解)で別物質に変化したため、検出されなかったとの見解を示した。

 ■対立した主張

 この結果について検察側は、〈1〉でさえBの反応は「薄く、小さい」と報告されており、混入量が少なかった〈2〉ではなおさら、濃度が低くて検出できなかったなどと主張。事件で使われた毒物がニッカリンTだった事実と矛盾しないとした。再審開始を取り消した名古屋高裁の決定も検察側の主張に沿って、「鑑定方法によっては、ニッカリンTが含まれていたのに検出できなかったと考えることも十分に可能」と結論づけた。

 これに対し、弁護側は事件当時流通していたニッカリンTを農薬廃棄業者から独自に入手し、2004年に再現実験をした。ブドウ酒とほぼ同じアルコール濃度にした溶液にニッカリンTを混ぜ、まず事件時の想定〈1〉に近い状態で分析。さらに鑑定時〈2〉に近い状態になるよう、2日後にも分析した。

 その結果、事件時に近い状態ではBとCの濃度はほぼ同じで、Bの反応が薄く小さかった〈1〉の結果が説明できなかった。鑑定時に近い状態でも、Bだけが検出できないほどには、A、Cとは量の差はなく、「ニッカリンTを混入して、Bが検出されないはずはない」と指摘した。

■疑問解消の道は

 結局、弁護側が指摘した矛盾点について納得できるデータを検察側が示せなかったため、最高裁は疑問点を解消できなかった。そのため、こうした状況のまま再審開始を取り消した名古屋高裁の決定については「科学的な知見に基づく検討をしたとはいえず、事実は解明されていない」と判断。弁護団が当時のニッカリンTを持っていることから、それを使って事件当時の状況を再現して再鑑定することが必要だと指摘した。

 とりわけ田原睦夫裁判官は補足意見で「それほど複雑とは思われない化学反応についての見解が、学者によって真っ向から対立することは理解に苦しむ」として、当事者同士に法廷で議論させることも含めて証拠調べで究明するよう求めた。

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