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2010年4月 6日 (火)

最高裁、再審判断を高裁に差し戻し 名張毒ブドウ酒事件(6日)

三重県名張市で1961年、農薬入りのブドウ酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ブドウ酒事件」で、最高裁は、殺人などの罪で死刑が確定した奥西勝死刑囚(84)の再審を認めるべきかどうかの判断を改めて名古屋高裁に差し戻す決定をした。5日付。第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は「犯行に使われた毒物の解明について、審理が尽くされていない」と述べた。

 毒物の成分をめぐる科学論争に絞って、さらに同高裁で審理が続くことになった。

 第7次再審請求で、弁護側は奥西死刑囚の犯行を否定する材料になる五つの「新証拠」を提出。第三小法廷はこのうちの四つを「抽象的な可能性にとどまる」などとして退け、争点は奥西死刑囚が使用を自白した農薬「ニッカリンT」が本当に犯行で使われたのかの1点に絞られた。

 第三小法廷は、ニッカリンTに含まれているはずの特定成分が弁護側の再現鑑定で検出されたのに、事件後のブドウ酒の鑑定では検出されなかったことに注目。別の成分はどちらの鑑定でも検出されたことから、「特定成分だけが検出されなかった合理的な説明がない」と疑問を示した。

 このため、そもそもニッカリンTがブドウ酒に含まれていなかったのか、鑑定の方法により検出できなかっただけなのかについて、「(再審開始を取り消した)名古屋高裁決定は科学的知見に基づく検討をしたとはいえず、いまだ事実は解明されていない」と指摘した。

 その上で、検察側と弁護側の主張を裏付ける学者の言い分が大きく食い違っていることから、差し戻し後は、弁護側が持っている当時流通していたニッカリンTを提出してもらい、改めて鑑定をするなどの審理が必要だと述べた。5人の裁判官の一致した意見。

 さらに、田原睦夫裁判官は補足意見として「事件発生から50年近く、今回の再審申し立てから8年近く経過しており、証拠調べは必要最小限にして効率よくなすことが肝要だ」と差し戻し後の審理のあり方に注文を付けた。

 5日は、第三小法廷の5人の裁判官のうち、藤田宙靖裁判官の退官日。検討を重ねてきた裁判体の構成が変わる前に決定を出したとみられる。(延与光貞)

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