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2010年3月 8日 (月)

虐待の再発防止、苦悩する児童相談所 埼玉・4歳死亡(8日)

埼玉県蕨市で両親に虐待を受けて2008年2月に亡くなった新藤力人(りきと)ちゃん(当時4)は、両親が路上生活をしていた頃に生まれ、乳児院で育てられた後、親元に引き取られていた。ケースワーカーらは、問題がある家庭に子どもを帰す難しさを口にする。

 児童相談所が06年1月、父親の新藤正美(47)と母親の早苗(37)の両容疑者=保護責任者遺棄容疑で逮捕=に、力人ちゃんの引き取りを認めたのは、保育所に通わせることが条件だった。

 しかし、通園しない状態がずっと続いた。このため、児童相談所によると、07年1月、小学校に通っていない長男も含め児童福祉法に基づいて「職権保護」しようと、さいたま家裁と相談したという。

 子どもの意思に反して学校などに通わせないことも、虐待の一つ、ネグレクト(育児放棄)に該当する。しかし、児童相談所はほかに明確な虐待の跡を確認できず、「学校や保育所に行っていないというだけでは、親の意に反する保護は難しい」と断念した。

 07年11月には、母親の妊娠検査で訪問した市保健センターの保健師が、居合わせた力人ちゃんについて「やせている」と感じた。08年1、2月には児童相談所の職員や市の保健師が訪問したが、「寝ている」などと父親に面会を拒否された。死亡したのは、その直後。結局、保健師が異変に気づいた後は、関係機関は力人ちゃんの様子を一度も直接確認できなかった。

 保健師の話は訪問の翌日、児童相談所にも伝えられていたが、児童相談所は「緊急性を感じなかった」と言い、父親が面会を拒否した後も含め強制的な立ち入りや一時保護などは考えなかったという。

 児童虐待に詳しい高橋重宏・東洋大学教授(子ども家庭福祉)は「やせ始めているというのは深刻なシグナル。ネグレクトは傷などがなくて、すぐわからない。強制的な立ち入りも考えるべきだった」と対応を批判する。

 首都圏の児童相談所のケースワーカーは、虐待から保護した子どもについて「施設などで育てる場合もあるが、基本的には親と再び暮らせる道を探り、市町村の担当者らも交えて支援を考える」と話す。まず、1週間ほど親元に帰して様子を見る「外泊」を繰り返し、虐待が再発しないか、育てられるのかを見る。親の就労や居住の状況なども含めて「大丈夫」と判断したら帰す。

 親が再び虐待に及ぶ可能性は絶えずあるので、定期的に家庭を訪問し、保健所や学校にも再虐待の兆候に気を配ってもらう。送り迎え時に親と接触できる保育所は、戻した後の親子の様子を見られるので重要だ。今回のように生後すぐに乳児院で育った子は、親になつくまでに時間がかかるので要注意だという。

 「私たちは、貧困や夫婦仲の悪さなどの悩みを抱える親を支えることで、子どもを再度の虐待から守る。親と信頼関係を保ちつつ強制介入の必要性も判断しなくてはいけないので、本当に難しい」と語る。

 日本子どもの虐待防止民間ネットワークの岩城正光理事長は「児童相談所では家庭が身構えてしまう可能性がある」として、より受け入れられやすい保健師の派遣を提案する。実際に、栄養失調に陥っていた小学生を救ったケースもあるという。

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