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2009年12月20日 (日)

電車内カメラ 痴漢対策の特効薬か劇薬か…(20日)

悪質化する電車内の痴漢対策の一つとして、車両内への防犯カメラ設置案が浮上している。警視庁と埼玉、千葉、神奈川の3県警は抑止効果が見込めるとして、首都圏の鉄道事業者にカメラ設置を要請。JR東日本が被害が多発している埼京線車内に年内にも試験的に設置する方針を固めた。ただ、「プライバシーやコスト面など検討課題が多い」と他の事業者の動きは鈍い。「痴漢防止の特効薬」か「劇薬」か、広く議論が起こりそうだ。(海老沢類、滝口亜希)

 東京都と埼玉県を結ぶ埼京線では8年前から早朝と深夜の列車に女性専用車両が導入されている。しかし、今年1~9月の間に都内の電車内の痴漢被害件数の12%強を占めるなど、効果は上がっていない。

 このためJR東日本は埼京線内でも最も混雑の激しい一部の車両に限り、天井や網棚付近など数カ所に防犯カメラを設置する方向で検討している。一部の特急列車で荷物置き場などに設置した例などはあるが、通勤電車への導入は初。

 JR東は(1)犯罪捜査以外では映像提供しない(2)一定期間保存した後には映像を削除する-といったルールを厳格に決めた上で試験導入する考えだ。

 警視庁などは10月下旬、JR東日本など鉄道事業者16社と痴漢対策について検討する官民会議を開催。対策の一つとして、車両内への防犯カメラ設置への協力を呼びかけた。

 警視庁などが想定しているのは、車両の天井に設置するタイプ。痴漢は車内が混雑する通勤・通学時間帯に多発することから、犯行時の手元まで映すのは難しいとみられるが、警視庁幹部は「被害者の周囲に誰が立っていたか位置関係を特定できれば、ケースによっては捜査の助けになり、痴漢を思いとどまらせる抑止効果もあるはず」と期待を寄せる。

 ただ、JR東に追随する動きはまだ出ていない。複数の事業者が理由として挙げるのが、設置効果への疑問だ。京王電鉄の担当者は「混雑した車内は死角が多く、実際に犯罪を監視する機能としては実効性が低いのではないか」と指摘。他にも、「一車両に何台設置すれば車内全体が撮れるのかといったデータがない」(京浜急行電鉄)といった意見が出ている。

 コスト面の課題もある。京浜急行は「所有する車両すべてにカメラを設置すれば、設置費だけでなく相当な維持管理費もかかってくる」。東京都交通局も「天井裏の配線など大幅な改造が必要になるため、現行の車両にカメラをつけるのは難しい」と話す。

 識者はどうみるか。「痴漢というプライバシーの侵害行為を、プライバシー面で賛否がある防犯カメラの設置で防ぐというのは本末転倒」と話すのは、関西学院大学の荻野昌弘教授(社会学)。「防犯カメラを設置して実際に犯罪率が下がったというデータはない」とも指摘する。

 防犯問題などに詳しい日本大学法学部の水野正准教授(サイバー法)も「車内で防犯カメラを運用するとしても、画像を誰がどのように管理するのか厳格に定め、個人のプライバシーを保護する必要がある」と、慎重な運用を求めている。

 一方で「悪質な犯罪から女性を守るため、各事業者は公共交通機関としての意識を強めて腰を上げるべき」(司法関係者)との声があるのも事実で、カメラ設置が定着するかどうかは世論の動向もカギになりそうだ。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/337963/Banner_logo_051_5

 

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