「がんに効く」の悪質商法、消費生活センターに相談相次ぐ(3日)
複合特殊素材メーカー「山本化学工業」(大阪市生野区)が開発した織物素材「バイオラバー」をめぐる薬事法違反事件で、関連会社社員らが京都府警に逮捕された後も、高額製品を購入したがん患者や家族らからの相談が各地の消費生活センターに相次いでいる。「がんに効く」とうたい、がん患者や家族らの切実な思いを踏みにじる悪質商法に改めて怒りの声があがっている。
大阪府消費生活センターでは先月20日の逮捕以降、バイオラバー製品の購入者から「がんに効くと信じて購入したのにだまされた。返品したい」という相談が10件相次いだ。このうち、40代女性は「がん細胞を死滅させる効果がある」と説明会で聞き、闘病中の母親のためにバイオラバーのマットやベスト、ベルトなどを約300万円で買った。母親は昨年亡くなり、「お金を返して」と訴える。
30代の女性もがんになった母親のために、通信販売でマットやベストのセットを約200万円で購入。がん患者の60代の男性は折り込みチラシを見て、ベルトとマットを約18万円で買ったという。いずれも「がんに効く」というキャッチコピーにひかれたといい、センター担当者は「根拠が定かではない効能をうたった健康用品の相談は多いが、バイオラバーはそうした中でもかなり高額の部類だ」と驚く。大阪だけでなく、奈良や千葉などの各県でも相談が寄せられているという。
がん医療の向上に取り組むNPO法人「キャンサーネットジャパン」(東京)の川上祥子理事は「がんを告知されると本人も家族も冷静に受け止められず、『必ず治る』などの甘い言葉でアピールする商品や民間療法に数百万円単位で費やすことは珍しくない」と指摘する。
今回の事件に限らず、インターネットなどでは玉石混交のがん治療情報があふれているが、「わらをもつかむ思いで民間療法を試すのはある意味当然。数多くのがん治療の信頼性を科学的根拠に基づいて判断できるような環境づくりを国を挙げて進めるべきだ」と訴えている。 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/320164/
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