森繁久弥さん死去、96歳 大衆芸能で初の文化勲章(10日)
舞台「屋根の上のヴァイオリン弾き」をはじめ、映画やテレビ、ラジオで幅広く活躍し、戦後芸能界の最前線に立ち続けた俳優の森繁久弥(もりしげ・ひさや)さんが10日午前8時16分、老衰のため東京都内の病院で死去した。96歳だった。喪主は次男建(たつる)さん。
森繁さんは、「駅前旅館」「社長太平記」などの各シリーズをはじめ、「警察日記」「夫婦善哉」などの映画、「七人の孫」「だいこんの花」などのテレビドラマで喜劇から悲劇までを器用にこなす多彩な演技で知られた。また、「知床旅情」の作詞・作曲なども手がけ、91年には大衆芸能の分野で初の文化勲章を受けた。
13年大阪府生まれ。早大を中退し、36年に東宝劇団へ。ロッパ一座を経て39年、NHKに入り、アナウンサーとして旧満州(中国東北部)に渡る。50年、NHKのラジオ番組「愉快な仲間」のレギュラーになり、芸達者なコメディアンとして注目された。
52年からのサラリーマン喜劇の映画「三等重役」シリーズが出世作となり、「次郎長三国志」の森の石松役のほか「駅前」「社長」などの人気シリーズに出演。ドタバタだけの喜劇俳優とは違う、渋さの中に独特のユーモアをたたえた演技派として評価が高まった。また、再放送を含め、57年から08年まで2千回以上続いたNHKラジオ「日曜名作座」では、間の取り方に工夫を凝らした巧みな朗読で新境地を切り開いた。
61年、「森繁劇団」を旗揚げし、舞台にも力を入れる。ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」のテビエ役は、67年の初演以来、19年間に上演900回を重ねる代表作となった。自ら作詞作曲した「知床旅情」など、歌手としても「森繁節」と呼ばれる独特の節回しでファンを魅了した。
56年にブルーリボン賞と毎日映画コンクールの主演男優賞をダブル受賞した後、NHK放送文化賞(65年)、菊池寛賞(74年)、菊田一夫演劇賞の大賞(76年)などを受け、84年に文化功労者となった。97年公開のアニメ「もののけ姫」ではイノシシの長の声を演じ、99年のCD「葉っぱのフレディ いのちの旅」では朗読を担当。近年まで現役で存在感を示した。
ヨットが好きで、91年に日本一周を果たした。伴淳三郎の後を継いだ「あゆみの箱」の会長や、「アフリカへ毛布をおくる会」の会長など慈善運動にも力を注いだ。 http://www.asahi.com/obituaries/update/1110/TKY200911100419.html
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