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2009年10月16日 (金)

里子虐待・・・現場に重い課題 悩む里親、制度は不十分(16日)

 里子として預けられた女児(5)が虐待され、重傷を負った事件で、傷害容疑で逮捕された里親の主婦、吉村陽子容疑者(35)は、女児を激しく暴行していた今年春ごろ、養育を委託した大阪市中央児童相談所に対し、熱心な里親ぶりを報告書に書き連ねていた。相談所では次々と起こる他の児童虐待の対応に追われ、その裏で起きていた虐待に気付かなかった。善意を前提に成り立つ里親制度に重い課題が突きつけられている。

 ■きちょうめんな文面   「大変なことをしてしまった。里親として失格だと思う。たたいたらけがをさせてしまった」。今年5月27日、市中央児童相談所に吉村容疑者が泣きながら電話をかけてきた。昨年5月に預かった女児は夫(40)ばかりになつき、自分を無視することにいらだちを募らせていた。女児の頭を殴るなどの虐待は今年3月ごろから始まったとされるが、相談所に毎月送っていた状況報告書には、そんな様子はまったく感じられない。【3月31日】「誕生日プレゼントのおもちゃのレジで、自分でお話を作ってお店ごっごをしています」【4月30日】「保育所で年長クラスになり、張り切っています。歩くスピードが上がり、私が置いて行かれることもあります」相談所の担当職員は「文面はきちょうめんで、A4用紙1枚の裏表をいっぱいに使い、克明に女児の様子を記していた。里親の役割を果たそうという思いが強く、どこかで無理をしてしまったのではないか」と悔やむ。

 ■里親への誤解を懸念  事件を受け、児童福祉の現場では、善意の里親が世間から偏見の目で見られてしまうのではないかという懸念が拡がっている。今回の事件は子供を委託する際の大前提となる「里親家庭の安全」が十分に確保されているわけではない現状を露呈した。さらに相談所は吉村容疑者の熱心さに重きを置くあまり、養育里親歴が実質1年に満たないということを軽視していた。一方、相談所の人手不足は慢性的で、職員は次々と発生する児童虐待事案の対応に追われ、いったん子供を預けたら、養護施設や里親に頼りっぱなしになるという現実もある。担当者は「二度とこうした事件を繰り返さないために、相談所は制度的にも組織的にも人的にも十分な態勢を整え、里親家庭をケアをしていかなければならない」と話した。

 ■支援策と目配り急務   厚生労働省によると、全国の児童養護施設などへの入所者は定員の9割まで達しており、特に都市部では施設の不足が深刻化している。そのため、厚労省は今年4月から里親に対して手当を増やすなど支援を強化、里親制度を拡充しようとしている。家庭的な雰囲気で育てる点がよいことや、施設よりも里親に預けて養育手当などを支給する方がコスト面も安く済むというメリットもあるからだ。しかし、現状では里親の孤立化を防ぐ施策や、里親の適格性を常に維持していく仕組みは不十分との指摘がある。津崎哲郎・花園大教授(児童福祉論)は「日本は欧米ほど里親制度が充実していない。里親が一人で悩まないよう、里親同士の仲間づくりの促進や一時的に子供をほかの里親に預けられるようにするなど、さらなる支援が必要だ」と話している。Banner_logo_051 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/313167/

 

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