子ども「連れ去り」事件 日米ルールの違いで解決難し(2日)
離婚した日本人の元妻が米国から実家の福岡県に子どもと帰国したため、子どもを取り戻そうとした米国人の元夫が、警察に未成年者略取容疑で逮捕された事件が、米国内で報道され、高い関心を集めている。米国では、子どもを勝手に海外に連れ去ることは犯罪行為とみなされ、米国側も元夫を支援する。背景に、国際結婚が破局した場合の日米のルールの違いがあり、問題解決は難航しそうだ。
混乱の背景には「ハーグ条約」がある。「拉致された家族を救うための行動が逆に日本で犯罪に問われた」「釈放に向けて外交努力が求められる」。CNNは「拉致」という言葉を使いながら、連日、大きな扱いで伝えている。 逮捕されたのは、米テネシー州の男性(38)。福岡県警柳川署によると、逮捕容疑は9月28日朝、柳川市内の路上で元妻と一緒に登校中だった長男(8)と長女(6)を無理やり抱きかかえて車に乗せ、連れ去ったというもの。元妻が110番通報し、福岡市の米国領事館に来た男性を警察官が発見し、逮捕。署は30日午前、男性を未成年者略取容疑で送検し、今も勾留(こうりゅう)中だ。男性は「子どもに会いたかっただけ」と否認しているという。
テネシー州で4月から男性の代理人を務める弁護士によると、夫婦は今年1月に離婚。両親がともに親権を持ち、子どもは母親と一緒に、男性宅の近所で住むことで合意した。男性は米国人女性と再婚した。ところが母親は男性に告げず、8月13日に子どもと帰国したという。弁護士は「日本は、米国の法律を破った母親をかくまうべきではない」と主張する。
一方、離婚調停時に母親の代理人だった弁護士は「米国の法律を守らない行為は支持できない」としつつ、「母親は、常に支配的な男性の態度に悩んでおり、家族で一緒に住むことを望んでいなかった」と説明。夫婦は日本での結婚生活後、08年6月に渡米したが、男性は渡米の翌日に離婚の書類を示した。日本生活が長い子どもたちも米国暮らしに慣れなかったという。 米国務省は取材に「個別事案にはコメントしないが、この問題については承知している」と指摘。「日本は大事なパートナーで友好国だが、子どもの連れ去りについては意見が異なる。米国で取り残された親は大きな心理的負担を強いられ、子どもを取り戻せないでいる」と話している。
県警は「子どもを無理矢理連れ去った行為自体が犯罪で、離婚の経緯などは事件と関係ない」としている。(ニューヨーク=田中光)
◇ ■ハーグ条約 国際結婚が破局した場合、一方の親が勝手に子どもを国外に連れ出さないよう求めている。国境を超えた「面接権」を定め、米国やカナダなど80カ国以上が加入している。
日本は未加入であるため、日本人の親が子どもと日本に帰国した際に、外国人の親が子どもを連れ戻すことは極めて困難だ。トラブルが相次ぎ、欧米諸国は条約に加わるよう、日本政府への圧力を強めている。 http://www.asahi.com/national/update/1002/TKY200910010490_01.html
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