「DNA鑑定を過信」足利事件弁護人が警大で講演(8日)
足利事件で菅家利和さん(62)の弁護人を務めている佐藤博史弁護士が7日、警察大学校(東京都府中市)の「取調べ専科」で講演した。足利事件の捜査について「DNA鑑定を過信した結果、誤った供述を導き、(菅家さんを)犯人と信じ続けた」と発言。冤罪(えんざい)で失われた警察の信頼を、取り調べへの全面的な録音録画の導入と、取り調べ技術の向上で回復するよう訴えた。
警察庁は取り調べ適正化指針を作成し、その一環で講演が実現。取り調べ適正化などを担当する全国警察本部の幹部らが受講した。佐藤弁護士は「DNA鑑定がなかった時代の捜査官ならば、もう少し供述を吟味したのではないか」と述べ、最新の科学技術の導入が捜査力の低下につながった可能性を指摘した。
すでに取り調べの全過程を録音録画する「全面的可視化」を取り入れている英国では、取り調べは「インタビュー」と呼ばれ、捜査官があらかじめ質問票を作成し、取り調べではそれを淡々と容疑者に質問。その様子を録音録画するという。
佐藤弁護士は英国での事例を紹介しながら、「今後、日本でも、説教などを含んだ取り調べはできなくなるだろうから、警察は英国のやり方を学んで取り調べの精度を高めるべきではないか」と主張した。ただ、受講者からは英国とは事情が違うとの声が出たといい、取り調べの全面可視化には現役、OBを問わず警察関係者の間に反対の声が多い。
元警視庁捜査1課理事官の大峯泰広さんは「容疑者の取り調べは参考人に対する質問ではない。取り調べは、容疑者が真犯人であってもなくても、真実を解明するために行うもので、捜査側の見込みを押しつけるものではない。可視化されれば真実の究明は困難になり、捜査に重大な支障がでる」と指摘する。 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/310250/
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