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2009年7月15日 (水)

マイバッグ:万引き隠す手段に かごに豆腐、バッグに肉(15日)

レジ袋の有料化で広がるマイバッグ。環境に優しいグッズの代表格だが、万引きの隠れみのになる懸念も広がる。何が起きているのか。【中西拓司】

 「お客さん、マイバッグの中身を見せてください」。6月上旬、東京都内の大手スーパーでベテラン私服警備員(60)が70代の女性客に声をかけた。女性は、買い物かごに豆腐1丁(約100円)を入れて代金を払ったが、警備員がマイバッグの中身を調べると豆腐の下から、レジを通っていないステーキ用牛肉や吟醸酒が見つかった。被害額は約3000円。警備員は女性の動きを不審に思ってマークし、牛肉をバッグに入れる瞬間を目撃していたという。警備員を派遣する会社の担当者は「安いものをレジで買い、高いものはマイバッグに入れて万引きする手口が相次いでいる」と指摘。レジを通った後、買った商品と盗んだ商品をバッグ内で交ぜてしまう手口だ。従来はレジ袋が支払い済みの目安だったが、マイバッグ普及で見分けにくくなったという。

 「万一、罪のない客を万引き犯に誤認すれば、店の信用にかかわる。声かけには本当に神経を使うようになった」と担当者は嘆く。日本スーパーマーケット協会などが加盟するNPO法人「全国万引犯罪防止機構」によると、昨年末ごろから、マイバッグ万引きに関する小売店側の相談が増えているという。札幌市西区の安売りスーパー「マンボウ」は3月から、「当店にマイバッグは必要ありません」「万引き防止のご協力をお願いします」との張り紙を店頭に掲げた。昨秋以降、万引き件数が月10件程度と以前の2倍以上に増え、多くはマイバッグを悪用していたためだ。マイバッグ禁止後も万引きは減らないが、店長は「盗みの現場を押さえにくく、被害はもっと多いだろう。地球環境への取り組みは分かるが、禁止は仕方ない」と話す。

 ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」(東京都新宿区)もレジ袋の配布を続ける。「レジ袋の方が、万引き対策の余計な手間がかからない。家庭用ごみ袋としてもレジ袋は需要がある」環境省によると、全市町の4割近い685市町村が有料化などレジ袋削減に取り組んでいる(昨年11月現在)。ただし日本チェーンストア協会によると、レジ袋の辞退率は19・58%どまり(4月現在)。協会は「万引き対策のため、レジ袋の無料配布を続ける店があることも一因では」と話す。

 マイバッグ利用のルール作りも始まっている。福島県では、主なスーパーでレジ袋が有料化された6月1日に合わせ、県と県警がマイバッグの「四つのルール」を策定、PRポスターを作った。(1)買い物中はマイバッグを折りたたむ(2)商品は店の買い物かごに入れる(3)マイバッグはレジが済んでから使う(4)買い物かごは決められた場所に戻す--。同様のポスターは沖縄、富山、大分県なども作製し、啓発を進めている。全国万引犯罪防止機構の福井※(こう)事務局長は「万引きのリスクは潜むが、マイバッグ導入は時代の流れ。マナーを呼びかけるしかない」と話している。 ※は「昂」の左下が「エ」Logo_mainichi1_4 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090715k0000e040072000c.html

 

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