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2009年7月11日 (土)

【衝撃事件の核心】裏DVD店VS警視庁 3地区一斉摘発の“奇襲” 終わりなき「モグラたたき」の軍配はどちらに…(11日)

東京・歌舞伎町をはじめとした都内3地区の繁華街で、7月4日夕から5日未明にかけて、警視庁が「裏DVD店」の一斉摘発に踏み切った。市場に出回り続ける無修正のわいせつDVDを扱う店舗の摘発は定期的に行われてきたが、警視庁は今回初めて、複数地区に同時に網を掛ける“奇襲”に打って出た。摘発逃れのすべを編み出し、つぶしても再び出てくる現状に業を煮やしたわけだ。繁華街で繰り広げられる警察当局と業者との「モグラたたき」に、果たして終わりはあるのか-。(滝口亜希)

■裏DVDのメッカ「ビデオ村」

 日が傾き、飲食店を探す客らで込み合い始めた土曜日の夕方。新宿区歌舞伎町の一画に捜査員がなだれ込んだ。周辺は見物客などで騒然。捜査員らは店の中から裏DVDが入った段ボール箱を次々と運び出し、車に積み込んでいった。警視庁保安課にわいせつ図画販売目的所持の現行犯で逮捕されたのは、裏DVD店の店長の男(56)だ。逮捕容疑は、無修正のわいせつDVDを客に販売する目的で所持していたとしている。

 だが、摘発を受けたのはこの1店だけではない。この日、歌舞伎町や渋谷、池袋のいたる所で同様の光景が繰り広げられ、わいせつ図画販売▽同販売目的所持▽同陳列-の3つの容疑で、裏DVD店28店舗と保管用倉庫1カ所を摘発し、店長ら30人が逮捕された。まさに一網打尽の様相である。

 4日の午後5時から始まった摘発だが、関係者からの聴取や逮捕手続きは翌5日の未明にまで及んだ。もともと、歌舞伎町には昨年末に閉館した「新宿コマ劇場」近くの路地に、通称「ビデオ村」と呼ばれる地域があり、ここを中心として裏DVDを扱う店が広がっていた。警視庁はこれまでにも、数回にわたってビデオ村周辺を摘発している。昨年5月には、わいせつ図画販売などの容疑で42店舗の経営者ら計43人を逮捕し、一度の押収量としては過去最大規模となる約9万3500枚のわいせつDVDを押収した。

 しかし、摘発を受けた後も、平然と経営を再開するケースが後を絶たないのが実情だ。

 保安課の調べによると、今回摘発された3地区の店舗の売り上げは、月平均で500万~600万円。平均のセット価格は10枚で8千円、20枚で1万5千円だった。1日に30~50人の客の出入りがあったといい、根強い需要も裏DVD店の再開を後押ししているとみられる。
 ■“進化”する摘発逃れの手口…当局も対抗
 警視庁が今回、複数地区の一斉摘発に初めて踏み切った背景には、こうした裏DVD店のしぶとさに加え、摘発逃れの手口の“進化”がある。裏DVD店は一般的に、「シキテン(敷展)」と呼ばれる見張り役の従業員を店外に常駐させている。シキテンは、「屋敷を展望する」から転じて、賭場などでの見張りを意味する隠語だ。

 そのシキテンが昨年9月ごろから、地区をまたいで移動しているのを、保安課が確認。シキテン同士が情報交換し、店舗も移動していると見込んだ。「各店舗のシキテンは、『いまこちらにガサ(家宅捜索)が入った』などと携帯電話で連絡を取り合っている。こうした広域的な動きを封じるため、今回は3地区一斉に摘発した」(同課幹部)

 一方、摘発に対抗するため裏DVD店の業態自体も変化しつつあるようだ。捜査関係者によると、かつては店内にわいせつなDVDやビデオの現物を置いて販売するのが当たり前の光景だった。しかし、数年前からその業態に変化が見られ始めた。店内にはDVDパッケージの写真のみを展示し、客の注文に応じて、別の場所にある倉庫などから商品を持ってくる-。

 こんなシステムが主流を占めるようになっているのだ。今回摘発された28店舗も、全てこの業態だったという。手間やコストはかかるものの、多くの店がこうした業態を取るのは、わいせつ図画販売目的所持で現行犯逮捕されるのを防ぐのが狙いだ。

 警視庁はこのシステムに対抗すべく、内偵捜査の段階で、ひそかに店員と客の商品受け渡し現場を写真に押さえるなどして容疑を固め、今回の逮捕にこぎ着けた。

 ■捕まえた店長はアルバイト…

 今回摘発されたのは、歌舞伎町地区が21店舗、渋谷地区が4店舗、池袋地区が3店舗。裏DVD店として警視庁が把握する店舗は3地区で計63店舗あり、実に半数近くが摘発されたことになる。一方で捜査関係者は「今回逮捕したのは、いずれも自称店長。今後、実質的経営者までたどりつけるかは分からない」と、“突き上げ捜査”の難しさを打ち明ける。愛宕署は7月2日、無修正のわいせつDVD約3千枚を販売目的で所持していたとして、港区新橋にある裏DVD店の店長の男(35)を逮捕した。しかし、調べの中で、この男は逮捕される10日前にアルバイトで雇われたばかりだったことが判明。同署幹部は「アルバイトだから全く事情が分かっていない。店がいつから営業を始めたのかも知らなかった」とため息をつく。

 裏DVD店のほとんどは店名を持たず、宣伝も「DVD」「オープン」と書かれた看板や張り紙を出している程度。ホームページが見つからないケースも多く、実質的経営者の追跡は難しいのだ。業界の事情に詳しい風俗ジャーナリストの村上行夫氏は、「店長」のカラクリについてこう話す。「店長役のアルバイトは裏サイトなどを使い、高い時給で人を釣る。暴力団の資金源になっていることも多く、暴力団の『若い衆』が店長をやっている場合もある。アルバイトにしろ暴力団関係者にしろ、店が摘発されても絶対に組の名前を出さない、という約束になっている。組の名前をばらしたら、逆に報復されるから誰も言わない」

 ■「信頼性」が高い店舗型…最近は外国人の姿も
 摘発直後の歌舞伎町・ビデオ村周辺を歩いてみた。平日の昼間ということもあって人通りはまばらだが、路地をのぞくと、長いカーテンで目隠しされたドアの横に「DVD」という看板が見えた。ほかにも成人向けDVDを販売しているらしき店舗が、ぽつりぽつりと開いている。外見からだけでは、扱っている商品が違法なものかどうかは分からない。

 近くの飲食店で働く男性は言う。「大がかりな摘発があったみたいだね。でも、いまも夕方以降にこの辺を歩くと、何人かに『DVDどう?』って声をかけられるよ」。業界関係者によると、裏DVDはインターネットの普及に押され、店舗の売り上げは最盛期だった約10年前に比べると、4分の1ほどになっているという。だが、時流とともに“死滅”するわけではなさそうなのだ。村上氏は「ネット販売の場合、無修正モノを注文しても、届いた商品にモザイクが入っているなどインチキのケースもある。店舗型だと店頭に置かれたパソコンでサンプル画像を見ることができるので、信頼性が高い。また、DVD再生機能付きのノートPCを持っていって、受け取った商品の中身をその場で確認する顧客も多い。そういう意味では、店舗型の需要はなくならないと思う」と指摘する。

 村上氏によると、最近は中国人観光客など外国人の購入者も増えているという。警視庁は今後、裏DVD店や違法な個室マッサージ店などに場所を提供したビルオーナーの責任を問う「改正ぼったくり防止条例」なども駆使し、根絶を目指す構えだ。両者の熾烈(しれつ)な攻防は当分続きそうだ。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/276854/Banner_logo_051_6

 

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